経済産業省は3月5日(火)、街の書店を振興するプロジェクトチームを設置すると発表しました。

齋藤健経済産業大臣が会見のはじめで発表した「街中にある書店は、多様なコンテンツに触れることができる場として、地域に親しまれており、創造性が育まれる文化創造基盤として重要だと考えています」ということばからも、書店の社会的意義の大きさへの認識が伝わります。

そんななか、IT企業が運営する「透明書店」というあらたなスタイルの‟本屋さん”があることをご存じでしょうか。

透明書店とは?

透明書店は、コンセプトごとに分かれた棚に、ジャンルを問わず約3,000冊の「ちょっとした刺激がもらえる」本を並べているという書店。

「スモールビジネスに関わる人や、何かに挑戦する誰かの背中を押せる本屋さん」を目指して東京都台東区の蔵前で2023年4月から営業しており、クラウドサービスを展開するフリー株式会社(以下「freee」)のグループ会社が運営しています。

透明書店では、日々の出来事や経営状況を「透明」に可視化。X(旧・Twitter)やInstagram、note、Podcastなど各公式SNSで発信しています。



Xでは、営業日に日ごとの売上を1円単位で公開し、売れた本について言及する投稿があります。

noteでは、書店の経営に関連するコラムや日報を配信。この記事では、書店の収益軸の1つとなる「書店イベント」を解説しています。

また、クラウドファンディングの企画や企業とのコラボレーション、イベントへの参加なども行っているそうです。

AI技術も活用

透明書店では、freeeがまだ世に出していない自社のクラウドサービスやChatGPTなどのAI技術も活用。店内に設置されたモニターを操作すると、ChatGPTなどのAI技術を活用した副店長の「くらげAI」がおすすめの本を答えたり、雑談相手になったりしてくれるといいます。

同社は、書店経営の現状に対し、「FAXや手書きの在庫管理などデジタル化の余地が大きい」と考えているとのこと。「透明書店」では、どのように新たなデジタル技術を導入していくのかという変化の過程も「透明」に発信していくそうです。