構造とコンパウンド

タイヤショルダーのベルト部は、その剛性によりタイヤの振動を抑制し、ロードノイズを低減するサイレントカバーとしている。そしてキャップコンパウンドのベースとなるゴムの厚みをサイズごとに最適化し、100~160Hz周波数帯のロードノイズを低減。幅広のベルトを採用することでショルダー部の振動を抑制し、静粛性を高めている。

【試乗記】横浜ゴム ADVAN db V553 摩耗しても高い静粛性を発揮するプレミアム・コンフォートタイヤをテスト
(画像=『AUTO PROVE』より引用)

コンパウンドは低燃費性能、ウェット性能、耐摩耗性能のバランスに優れた「ADVAN dB」向けコンパウンドを採用。国内タイヤラベリング制度における転がり抵抗性能を「AA~A」、ウェットグリップ性能は全サイズ最高グレードの「a」を獲得し、優れた低燃費性能とウェット性能を実現している。

特に、シリカの分散性を向上するアートミッシング混合方法により、カップリング剤、分散剤のミキシングはキーになる。ちなみにアートミッシングはAdvanced Reaction Technology mixingの略でゴムとシリカは混ざりにくいことは有名だが、その混ぜ方を開発し性能向上に結びつけているというわけだ。

こうした技術を投入することで、摩耗時に変化する性能をさまざまな領域が、その性能変化を補うような設計思想が取り入れられたタイヤであることが理解できる。例えば摩耗したときでも溝の体積は新品時と同等となるよう溝壁垂直化の技術を投入し、ブロックが摩耗することでブロックが動きやすくなり操舵に影響するが、サイプやラグ溝、千鳥配置などにより操舵への影響を抑えるなど、他の技術で助け合い摩耗時でも新品のような静粛性、操舵応答性、ウエット性能を確保するというわけだ。

【試乗記】横浜ゴム ADVAN db V553 摩耗しても高い静粛性を発揮するプレミアム・コンフォートタイヤをテスト
(画像=『AUTO PROVE』より引用)

性能保証について

ADVAN db V553全サイズは、JATMAにて定める低車外音タイヤのラベリング制度において「低車外音タイヤ」の条件を満たしており、横浜ゴムが展開する電動車対応商品であることを表す独自マーク「E+(イー・プラス)」を打刻している。

「低電費」「静粛性」など電動車に特徴的なニーズに対応する技術を搭載したタイヤとして、タイヤサイドへの打刻もしているのでタイヤ選択の目安にしやすい。

【試乗記】横浜ゴム ADVAN db V553 摩耗しても高い静粛性を発揮するプレミアム・コンフォートタイヤをテスト
(画像=『AUTO PROVE』より引用)