誤解を招く余計な言葉を使用しない

 危機管理・広報コンサルタントで、長年、企業・自治体の管理職向けに模擬緊急記者会見トレーニングや危機管理広報、SNSリスク対策研修・セミナーの講師なども手掛けてきた平能哲也氏はいう。

「迷惑をかけた入場者に直接DMを送り、さらにそのスクショ画面を相手の許可なく開示したことは、企業のトップとして不適切で軽率な行動です。レゴランドのウェブサイトを見る限り、この件に関するプレスリリースは出されておらず(1月20日現在)、社長のXポストではなく、企業として社長名のプレスリリースで謝罪のステートメントを出すべき。入場者はスタッフから電話で謝罪を受けたとポストしていますが、レゴランドの担当者が事前に入場者へ連絡を取って了承してもらったうえで、入場者の自宅などに直接出向いて謝罪したほうがよい。社長や取締役も同行して謝罪すればベターでしょう」

 レゴランド社長が入場者に送ったDMの文面は適切だったといえるのか。

「不適切で問題があります。謝罪文章の最大のポイントは『誤解を招く余計な言葉を使用しない』こと。冒頭の『問題提起、ありがとうございます』などは典型的な余計な言葉。冒頭部分は定型的といわれても簡潔でストレートな謝罪の文面をまず書くべきです。特に最後の『レゴランドの99%のスタッフは、いいスタッフです』という文面はまったく逆効果を生む表現。『弊社としては今回のことを深く反省し、今後研修等を通じて再度スタッフへのお客様サービスの教育を徹底してまいります』という再発防止策を提示すべきです。

 このほか、細かい部分としては、『レゴランドを代表して謝罪させてください』は『レゴランドを代表して謝罪いたします』、『我々の対応が悪かったと思います』は『我々のお客様対応が悪かったと反省しております』、『チームから連絡取らせて頂きます』は『チームから連絡させて頂いてよろしいでしょうか』などとすべきでした。日本語は言葉一つで印象が変わる言語なので、言葉の使い方にはどこまでも慎重にならなければなりません」(平能氏)

 また、SNS投稿における最大のリスクポイントについて平能氏はこう指摘する。

「SNS投稿は本人が書いて投稿するだけで、誰もチェックしないという点が最大のリスクです。通常、特に企業や自治体が外部に出す文章は、上司や複数の人のチェックを経て公開されます。公式SNSも同様でしょう。

 ただし、今回のケースのように社長や取締役、自治体などの首長や芸能人、文化人などがプライベートで投稿する場合、投稿前に第三者のチェックを受けることはまずないでしょう。プライベートでのSNS投稿の際は、誰もチェックしていないということを自覚し、少なくともセルフチェック、さらに重要な投稿の時には家族や友人に一度見てもらいコメントをもらうことも必要でしょう」(平能氏)

(文=Business Journal編集部、協力=平能哲也/危機管理・広報コンサルタント)

提供元・Business Journal

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