余震が続き、土砂崩れなどの危険と隣り合わせの状態に加え、寒さや雪で種々の作業が手間取っているのは致し方ないことだ。馳知事の「能登を元通りにする」という言葉を信じてみんなで応援するのがわれわれの務めだ。取材と言う名のもとに、土足で踏み込み、挙句の果てに上から目線で何を偉そうに言っているのだ!と思う。

そして、最も心配なのは、被災者の方々の体の健康と心の健康だ。タイとインドネシアの地震・津波の被災者の約20%がPTSDに罹患したとの報告がある。住む家を失い、家族を失い、友人を失って、心の痛手を負う中で、ストレスの多い避難所生活を送っている被災者が健康を維持して、心の平穏を保つことを心から願っている。被災者の方々が、元通りの生活を取り戻すには長い時間がかかると思うが、それまでは温かい心の支援が大切だ。

編集部より:この記事は、医学者、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のこれでいいのか日本の医療」2024年1月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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