■「くるみ割り人形」のメッセージとは?

 童話やファンタジーの中には、子供たちのマインドセットに影響を及ぼすべく意図されたものも少なくないのだが、この「くるみ割り人形」は少女たちどんなメッセージを暗示しているのだろうか。

 物語でマリーは愛する人と結婚することでエンディングを迎えることになるのだが、この女性の生き方は単純に伝統的ジェンダーロールを強化する方へと働くことになるだろう。

 また夢の中ではさておき、現実では醜いくるみ割り人形を愛することができるということは、結婚相手に対してきわめて“許容範囲”が広いことにもなる。逆に言えば夢の中では素敵な男性であるとすれば、現実では醜くとも許容できるのだろう。コミュニティの維持において誰とでも結婚できる女子の存在は重要だ。少女が疑似体験する物語としては何かと都合が良いともいえそうだ。

陰謀が渦巻く……本当は怖い「くるみ割り人形」
(画像=「Salon.com」の記事より,『TOCANA』より 引用)

 クリスマスに上演されるバレエの舞台として世界中で愛されている「くるみ割り人形」なのだが、その人気の理由を考察した記事を米メディア「Salon.com」 に寄稿したエレン・オコーネル氏によると、この人気のバレエが子供たちを描き、子供向けであり、子供たちを活用しているという事実は、バレエ学校にとって理想的なショーケースとなるという。つまり興行の歴史を通じて主催者側にとって都合が良くなるように洗練されてきているというのである。

「クリスマスはあらゆる理由に反して魔法への信仰を奨励します。サンタが煙突に収まり、ステージ上の少女は命を吹き込まれた人形に恋をします。クリスマスを舞台にしたこのバレエは見たことがない人でも口ずさむことができる音楽を背景に、クリスマスシーズンに関する西洋のあらゆるメッセージを伝えます」(オコーネル氏)

 子供、特に少女へ向けた魅力的なコンテンツである「くるみ割り人形」だが、その裏にある大人の事情と企てを探ってみればいろんな発見がありそうだ!?

参考:「Mirror」、「Salon.com」ほか

文=仲田しんじ

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提供元・TOCANA

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