LINEヤフー株式会社は、生成AIを活用するための技術基盤や利用環境を整え、個人向けサービスを中心に、約10か月で合計16件の生成AI機能を導入しました。

生成AIに関する取り組みについて

LINEヤフーは、AI技術の活用に際し、よりユーザーに安心してグループのサービスを利用していただくために必要な基本方針の明確化と、実効性のある自主ルールを策定することを目的とした「AI倫理に関する有識者会議」を2021年6月より開催し、継続的に外部の専門家と議論を重ねています。また、2022年7月、ユーザーのプライバシーを尊重しながらAIを安全に活用するための方針として、「Zホールディングスグループ AI倫理基本方針」(現「LINEヤフーグループ AI倫理基本方針」)を策定しました。さらに2023年6月には生成AI社内推進組織「生成AI活用推進室」(現「LINEヤフー株式会社 生成AI統括本部」)を発足し、国内外の関連機関・団体、開発・提供企業、研究機関等の最新動向を踏まえ、社内外への積極的な生成AIの活用を推進しています。

LINEヤフーでは、生成AIを活用するための技術基盤として、まずは従業員が様々な生成AIを選択できる環境づくりに取り組んでいます。OpenAI, L.L.C. が提供する全てのAPIに関する利用契約を締結しているほか、Google Cloudで提供される大規模言語モデルも利用可能とし、今後はAmazon Web ServicesやMicrosoftのAzureで提供される大規模言語モデルも導入する予定です。また、全従業員受講必須のeラーニングを通じて、生成AIを活用する際の主要なリスクやプロンプトの工夫に関する生成AI利用研修を実施しています。従業員は同研修後に実施される試験に合格した後、対話チャット型の独自AIアシスタント「LY ChatAI」の使用が可能となります。

生成AIの業務活用成果

2023年7月よりLINE株式会社およびその子会社、ヤフー株式会社の従業員約2万人に提供された独自AIアシスタントは、アンケートの結果、約7%の生産性向上が確認されました。また、2023年10月にエンジニア約7,000名を対象に導入したAIペアプログラマー「GitHub Copilot」では、約10%~30%の生産性向上が確認されました。2024年2月28日現在、LINEヤフーのサービスでは13件で生成AIが導入されており、引き続き、サービスの品質向上および利便性向上を図ります。このほか、生成AIを含むコースを展開する「データ・AI活用人材育成プログラム」を法人向けに提供しています。