守備の固さも強みの町田

攻撃面だけでなく守備の固さも強みとなっている町田。昨季のJ2で42試合35失点に抑えた堅守はJ1でも遺憾なく発揮され、3試合で1失点に抑えている。第3節での鹿島アントラーズとの一戦も堅守が生きたゲームだった。前半13分という早い時間帯にFW平河悠の得点で先制に成功すると、鹿島の猛攻を耐えきって1-0で勝利。鹿島戦の被枠内シュートはわずか1のみ。第2節でも2に抑えており、2試合続けてウノゼロで勝ち点3を積み重ねている。

アビスパ福岡 写真:Getty Images

徹底することの強さ

サッカーにおいて“徹底すること”は強化策の1つだ。選手が迷いなくプレーすることで判断スピードは意図的に上がる。ピッチ上では、その一瞬の差が何十回~何百回と積み重ねられ勝敗を左右する要素となる。他のチームを見ても、徹底しているチームは一定の戦績を残している。

それぞれスタイルは違うものの、球際の強さや身体を張った守備を徹底するアビスパ福岡や、松橋力蔵監督のもと細かくパスを繋ぎ2列目の選手が得点を奪うサッカーを志向するアルビレックス新潟などがこの例に該当する。いずれも、単純な選手の質ではJ1トップクラスに及ばないものの、試合によっては上位陣に勝利するだけの力を持つ。今季このままJ1に残留できれば、町田も各クラブの脅威となることだろう。


町田ゼルビア 写真:Getty Images

今後迎えるであろう難局

町田は豊富な戦力を抱えている一方で選手数は39人と非常に多い。そのため出場機会を得られない選手も必然的に多くなる。現在は戦績によって生み出されるアドレナリンがチーム内に溢れているが、勝てない時期を迎えた時、出場機会を得られない多くの選手たちが無意識に悪影響を及ぼす可能性は否めない。

また、守備時にはボールサイドに寄ることで局面の人数で上回るが、打開され素早く逆サイドへ展開されるとそこにはスペースが空いている。好調であるほど他クラブからの研究対象となるため、次第に白星を重ねるのが困難になると予想される。そんな時にも軸を変えず、町田の強みを貫けるのか注目したい。