■シーラの死

 スーザンが殺された翌年、1985年の春、テレサは20歳の娘のシーラに売春婦として働くように強制しだした。シーラは1日あたり数百ドルを持ち帰り、テレサはそんな娘を誇りに思っていたそうだ。シーラは売春をすることで、殴られる回数が減り、外に出られることから、その生活をある意味喜んでいたという。

 しかしその後すぐ、テレサはシーラから性病をうつされたとあらぬ言いがかりをつけ、シーラを殴り、小さなクローゼットに閉じ込めた。真夏のクローゼットは耐え難いほど暑かったが、テレサは他の子どもたちに、シーラに食べ物や水を与えることを厳しく禁じた。シーラの助けを求める声は3日で途絶え、彼らがドアを開けるとそこにはシーラの腐敗しはじめた遺体があった。

 テレサは古い段ボール箱にシーラの死体を入れて、2人の息子に車に運ぶように命じた。息子たちは言われたとおりに行動し、死体の入った段ボールはキャンプ場に置き去りにされた。

 その箱はすぐに発見され、ネバダ郡保安官局に通報された。しかし、死体は「ジェーン・ドゥ(名無し)6607-85」と呼ばれ、死因不明として記録された。