味にこだわる多忙な夫婦が故郷の味をもとめて自動調理ロボットを開発
調理ロボットのアイデアは、Euphotic Lab設立者の1人であるYatin Varachhia氏とその妻の悩みから誕生した。2017年に妻のMargiさんがMBAを取得して働き始めると、二人とも仕事が忙しすぎて料理に時間をかけられなくなってしまう。Free Press Journalなどの取材によると、食事の準備をホームヘルパーに任せてみたが、インド西部クジャラート出身であるYatinさんが求める本格的なクジャラート料理をベンガルールで味わうことはできなかったそうだ。
そうした状況についてYatinさんが友人や同僚にこぼしたところ、どこの家庭でも同じ問題を抱えていることがわかった。こうして調理の自動化を目指すことになったYatinnさんは、友人のDevangさんと共にまず材料・調味料の投入工程と攪拌工程の自動化を実現した機構の開発に成功。その後、トウモロコシ脱穀機を3か月で開発したエンジニアのVenkateshさんとインド科学研究所のエキスポにて出会ったことから、彼もチームに加わることに。

NOSHの開発チーム。Image Credits:NOSH

開発に3年を費やした。Image Credits:NOSH
競合との差別化、ミールキット対応地域の拡大がカギ
今月9日に製品発表会を控えるNOSHは、現在主として飲食店を対象にプレオーダーとして製造販売を行っている。今年中に5000台の製造を予定しており、Amazonなどオンラインで本体のみが販売されるとのことだ。
ただ、ミールキットサービスに未対応の地域では、本体を購入できても自ら食材を用意しなければならない。買い物や食材の準備は料理工程の中で最も大きなハードルとなり得るだけに、今後NOSHが国内ならびに国外で事業を拡大していくにあたっては現地のミールキットサービスとの連携がキーポイントになるだろう。
また、インドは生活習慣病が深刻な社会問題となり、9000万人近い糖尿病患者を抱えている状況だ。カロリーや栄養バランスまで考慮したメニューや、スポーツジムとコラボしたダイエットメニューの提供も需要があるのではないだろうか。「最先端技術の力で、一般市民の日々の生活から調理・食材管理などの負担をなくす」というビジョンを掲げる同社の今後に注目したい。
参考・引用元:
NOSH製品サイト
NOSH企業サイト
(文・Takasugi)