ミレニアル世代が考案したミレニアル世代のためのホテル「The Millennials(以下、ザ・ミレニアルズ)。「合理性」「自由」「多様性」の3つのテーマをもとに運営し、社会の変化にあわせてアップデートを図っていくというホテルです。

現代社会の中核となってきたミレニアル世代は、どのような価値観をもち、どのような働き方をしているのでしょうか。後編では、ザ・ミレニアルズ 渋谷 ホテル支配人の矢浦亮太(33歳)さんに、現場の視点から話を伺いました。

前編「ミレニアル世代によるミレニアル世代のためのホテル「The Millennials」とは? 令和時代のホテルを考える」はこちら

新旧の時代を経験したミレニアル世代の働き方

ーーー現代の働き方をどのように捉えていますか?

コロナ禍でテレワークが普及し、現在は出社、テレワーク、ハイブリッドなど、働き方の選択肢が増えたように感じます。

コロナ禍によりテレワークを強いられていた時期は、コミュニケーションツールがオンラインのみだったので、さみしさやストレスを感じるビジネスパーソンが増えているとのニュースをよくみかけました。

一方、コロナが落ち着いた今は、あらゆる選択肢のなかで業務効率を重視した働き方を選ぶ人が増えつつあると感じています。

ーーー業務効率というと?

出社すると同僚とランチに行ったりなど、コミュニケーションが生じることがあります。なので1人で黙々と仕事がしたいときは、自宅で短期集中するなど、コミュニケーションの具合に合わせたハイブリッドワークを取り入れる人が増えてきました。

気軽に立ち寄れるコワーキングスペース

ーーーハイブリッドワークやリモートワークをする人で、スペースを活用する事例があれば教えてください。

ザ・ミレニアルズのお客様は個人事業主やフリーランスの方が多いので、カフェに行くときのように、その日の気分に合わせてコワーキングスペースを利用されています。

これまでは月額会員様でなければ利用できないシェアオフィスがほとんどでしたが、今では1日単位で気軽にドロップインできる場所が増えたので、そういう意味では働き方の多様化は進んでいますよね。

あとは、ザ・ミレニアルズにはライターやエンジニアの方など、クリエイティブ業界にいる方が多いので、働く場所を変えることでアイデアが湧きやすいというメリットも感じてもらっているのかなと。

ーーー普段ミレニアル世代の従業員と関わるなかで、ミレニアル世代ならではの働き方もあると考えていますか?

現在は残業を厳しく取り締まったり、副業や転職など、自分のキャリアを優先した働き方ができたりする点で、トップダウンな風潮は昔と比べると薄れてきています。逆にあまりにも労働管理をするとハラスメントにもなり得るので、働き方はかなり変化していると実感しています。

ただ、ミレニアル世代は当たり前のように残業を強いられていた時代と、新たな価値観を取り入れアップデートしつつある時代のちょうど中間にいる世代なので、今の働き方が物足りないと感じてしまう人もなかにはいるのかなと。

あくまで「こうなりたい」という自分が目指すところに向かって働き方を選択できる時代なので、私自身も余った時間をどうやって使おうかなと考えるときはありますね。