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下位グレードでも同じエンジンにディスクブレーキ!
パリダカも走り、チューニングベースにも多用

下位グレードでも同じエンジンにディスクブレーキ!

「安い・軽い・速い!これでいいのだ!」後輪駆動の楽しいクルマ・トヨタ スターレット(2代目KP61)【推し車】
(画像=ハッチバックとは開口部が高く、現在のようにバンパーからガバっとは開かないが、当時はおおむねこんなもの,『MOBY』より 引用)

しかしKP61の特徴は「2BOXハッチバックなのにFRという新旧混合」なところだけでなく、基本的に上級グレードと下位グレードは内外装の違いを除けばほぼ同じ、つまり下位グレードほど同じエンジンでも軽くて速く、フロントにはディスクブレーキもついてきます。

もちろん安いですし、走り系のユーザーは重くて余計なものは外してしまいますから、最初からついていない方が便利…レースなどモータースポーツで使うならなおさら…それに当時としては走りの基本が学べて便利なFR車、若者が飛びつかないわけがありません。

おまけに頑丈でタフでしたから、営業車などで酷使されてなお走れる安い中古車がワンメイクレースやラリー、ジムカーナ、ダートトライアルといったモータースポーツから、峠などのストリート系までどっと溢れました。

積んでいるエンジンはどうという事もない直4OHVで72馬力の4K-Uで、後にEFI化されて79馬力に達した4K-EUまで進化するとはいえただの実用エンジン、しかし初期型でもっとも軽い3ドアスタンダードで車重は695kgしかなかったので必要十分です。

2021年まで販売していたスズキのアルトワークスが64馬力で670kg、パワーウェイトレシオが約10.47kg/psに対し、KP61初期のスタンダードが約9.65kg/psでしたから、今どきの軽ターボより速かったわけで、しかも運転して楽しいFR車!

頼もしいディスクブレーキでコーナーへのツッコミが効いたのもポイントで、初心者からでも走りの楽しさを学ぶには最適なクルマでした。

パリダカも走り、チューニングベースにも多用

「安い・軽い・速い!これでいいのだ!」後輪駆動の楽しいクルマ・トヨタ スターレット(2代目KP61)【推し車】
(画像=このようにラリーで活躍する場面も多く、エントリーモデルだからと決して侮れない走りを魅せた,『MOBY』より 引用)

モータースポーツの選手から走り屋まで、あらゆるクルマ好きが当時若い頃にお世話になった、あるいは戦ったであろうKP61ですが、1981年にはダカールラリー(当時はパリ=ダカールラリー)にまで参戦、時間切れで公式記録には残らないものの完走しました。

シンプルで頑丈なため、大排気量V8を含むあらゆるエンジンのスワップチューンが試みられ、日本国内ではAE86などで使われた4A-GEへの換装が主流だったと言われていますが、元の4K-Uをベースに1.5Lの5K化、スポーツキャブを組む「4K改5K」も流行ったようです。

FR車のためかなり後の時代まで現役のチューニングカーが走っており、D1GPへもフルチューンのドリ車が参戦したほか、全日本ジムカーナにも旧車のドリフトクラス的な「箱Dクラス」へ、2023年も参戦しています。

日本国内では最後となる5代目P90系まで「シンプルで安い軽い速い」が信条だった歴代スターレットですが、中でも最後のFR車となった2代目KP61は、「クルマ好きの若者を育てるのに最適のクルマ」だったと言えるでしょう。

近年は電子制御の各種安全装備や衝突安全ボディの採用で、どんなクルマも重くて高価になりがち、特にFR車は「安くて速い」が難しくなっているものの、1台くらいはKP61のように、速さはソコソコでも遊び倒せる、せめて中古で安い後輪駆動車があれば…と思います。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

文・MOBY編集部/提供元・MOBY

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