1970年代に全米を震撼させたシリアルキラーのテッド・バンディ。74~78年のわずか5年の間に、7つの州で30人の女性を殺害したことを自白しているが、被害者のうち10人は身元も判明していない。テッドが明かすことを拒んだためだが、殺害した相手の身元など興味がなく、誰なのか知らなかったため口を閉ざしたのだとも言われている。

 30人を殺害したことを認めたテッドだが、当局は100人は殺しただろうと睨んでいる。テッドが14歳の時、近所に住む8歳の少女が行方不明になっているが、彼が殺したのではないかとされている。被害者の多くは10代、20代の若い女性だったが、中にはわずか12歳の少女もいた。

 彼がシリアルキラーになったきっかけとして、「大学時代に交際した裕福な女性に捨てられたことから、若い女性に復讐したいと思うようになり女子大生を殺害するようになった」という説が有力だとされているが、「特に意味などなく、快感を得るために殺しをしていた」という説もある。

 どちらにせよ、テッドは「先天的なサイコパス」であり「後天的なソシオパス」という、まさに史上最悪のシリアルキラーだったのだ。

 フロリダ州立刑務所で死刑執行を待つテッドが事件について語った肉声を紹介するドキュメンタリー番組『殺人鬼との対談:テッド・バンディの場合』第三話では、テッドの2度に渡る大胆な脱走劇を、テッド自身が分析する。