目次
ダイハツ初の軽スペシャリティクーペ
モナ・リザのように愛されたい

ダイハツ初の軽スペシャリティクーペ

【TAS2024】新たなコンテンツを加えた『東京オートサロン2024』1月12日開幕
(画像=初代トヨタ エスティマ以前にCMで早見優が「ダイハツのかわいいタマゴ」と言っていたリーザ,『MOBY』より 引用)

旧車ブームの中でもヒストリック色が強い60年代、高性能な日本車黄金時代の90年代に対し、スキマにあってやや目立たない70-80年代の旧車に日を当てる「プレイバック70-80’」、今回紹介するのはダイハツ初の軽スペシャリティカー、リーザです。

2代目ミラ/クオーレをベースに3ドアクーペ化したもので、ボンネットバン全盛期なので商用登録の4ナンバー車が主力で車内は狭かったものの、乗用登録の5ナンバー車も設定。

660cc時代にも継続されてオープンボディの「リーザスパイダー」も追加され、後継の初代オプティ発売後、1993年まで販売されました。

モナ・リザのように愛されたい

【TAS2024】新たなコンテンツを加えた『東京オートサロン2024』1月12日開幕
(画像=TURBOデカールでわかるように前置きインタークーラーターボの前期型リーザZだ,『MOBY』より 引用)

スズキがフロンテクーペやセルボ、三菱もミニカスキッパーを発売するなど、1980年代までの軽自動車にも通常の軽乗用車をベースにしたスペシャリティカーが設定されていましたが、どちらかといえば質実剛健なイメージのあるダイハツはその点、わりと後発。

1970年にはビーチバギー風の「フェローバギィ」を100台限定で発売しましたし、その後もフェローMAXにハードトップを追加、360cc軽自動車最強のグロス40馬力を発揮するエンジンを積んだりしたものの、真価を発揮するのは1980年代の軽ボンバンブームから。

初代スズキ アルトに対抗する「ミラクオーレ」(初代ミラ)のヒットでアルトと軽自動車界の双璧を担うようになり、1985年に登場した2代目L70系ミラには当時最強のグロス52馬力キャブターボエンジンを積み、エアロパーツで武装した「ミラTR-XX」を追加します。

この2代目ミラをベースにホイールベースを短縮、Aピラーの傾斜角を強めてテールゲートも丸く寝かせ、ルーフの低い卵型クーペ風ボディは同時期のT160系セリカを縮小したようなデザインでした(実際、その代のセリカ風にカスタマイズした個体も実在)。

「モナ・リザのように愛されるクルマに」と、「リーザ」と名付けられて1986年に発売、車内はベースの2代目ミラよりだいぶ狭かったものの、助手席スペースをやや狭めて運転席は当時のシャレード並の広さ、ダイハツ軽で初のフルトリム化など内装は充実。

ちょっと大柄だと足元スペースがキチキチで乗車困難ながら、一応4人乗りの4ナンバー(商用)登録ボンバンが主力で、5ナンバー(乗用)登録のセダンもあり、エンジンはいずれもSOHC3気筒のEB系、32馬力の自然吸気仕様と50馬力のキャブターボでスタート。

面白かったのはリーザZに積む50馬力キャブターボのEB21エンジンで、フォルムを維持するためボンネットにエアインテークは設けず、インタークーラーは同じキャブターボでも上置きのミラ用EB20と異なり、リーザZでは前置きでした。