ミレニアル世代とは、1980年代前半から1990年代半ばに生まれた世代のことです。多くの場面で、ミレニアル世代は従来の世代とは異なる価値観をもつ世代として紹介されています。
そんなミレニアル世代に向けたコワーキングスペースが併設したホテル「The Millennials 渋谷(以下、ザ・ミレニアルズ 渋谷)」(グローバルエージェンツ運営)。ファッション、アート、音楽など、さまざまなカルチャーが交差するエリアに位置し、多様な人たちが集う場でもあります。
ミレニアル世代の視点を最大限に生かしたホテルとは、どのようなものでしょうか。ザ・ミレニアルズ渋谷 ホテル支配人の矢浦亮太(33歳)さんとともに、新たなホテルのあり方を探ります。
「生活」と「仕事」を融合したホテル
ーーーザ・ミレニアルズ 渋谷を立ち上げた経緯を教えてください。
ザ・ミレニアルズは2017年に1号店が京都にできまして、2018年に渋谷、2019年に福岡と計3エリアで展開しています。
弊社では、ソーシャルアパートメントという共同住宅事業を行い、共用部を充実させたライフスタイルを提供していることもあり、このコンセプトをホテルに活用しようという考えのもと、誕生しました。
ーーー渋谷ならではの特徴を教えてください。
ラウンジエリアが2つにわかれていて、使い分けができるようになっています。3階はコワーキングスペースで、4階は宿泊者が食事をするなど、いわゆる「チル(くつろぐ)」できるような空間です。
ーーーミレニアル世代に向けたホテルとのことですが、その理由はありますか?
弊社代表の山崎自身がミレニアル世代なんです。ミレニアル世代特有の合理的な考え方を反映することで、必要最低限かつ生産性のあるホテルができました。
ミレニアル世代のライフスタイルの特徴として、仕事と生活を切り離すのではなく、あえて一緒にすることで生産性を生み出すという考えが挙げられます。
そこで、ザ・ミレニアルズは、弊社の「.andwork(アンドワーク)」というコワーキングスペースを併設することにより、生活と仕事を融合したハイブリッド型のホテルを実現しました。宿泊はせず、仕事だけに利用することも可能です。
ーーー宿泊施設として機能しながらも、不定期でイベントも開催しているようですね。
ザ・ミレニアルズは多様性を尊重した自由な空間を目指しているので、施設利用者だけでなく外部の方もお招きしたイベントを開催しています。
過去には6月のプライドマンス(LGBTQ+コミュニティを祝福する月間)に合わせて、ドラァグクイーンさんのショーが見られるイベントを開催しました。国籍や性別関係なく1つの空間に集まることで、意外なつながりを生みだしたいとの思いも込められています。