2014年8月28日、英イーストロンドン・バーキングに位置する教会の中庭にある墓場で、若い男性の遺体が発見された。被害者は、細身でフェミニン、さらに美形なスロバキア人青年、ガブリエル・コヴァン。22歳の同性愛者だった。

【閲覧注意】「苦しむ死に様」をビデオに撮りためた連続殺人鬼ステファン・ポート! 若く美しいゲイを次々に惨殺!
(画像=ガブリエル・コヴァン。画像は「Murderpedia」より引用、『TOCANA』より 引用)

 ガブリエルは亡くなる1週間ほど前まで、ゲイの出会い系サイトで知り合ったジョンという男性の家に居候していた。この家には6週間ほど滞在して、「次に居候させてくれる人を見つけた」と言って、2014年8月23日、ガブリエルはジョンの家を出て行った。

 ジョンはガブリエルの足取りを辿ってやってきた刑事から彼の死を知らされた。その後、警察は「薬物の過剰摂取による事故死」と断定したが、ジョンはガブリエルがドラッグをやるような男には思えず、この結論を不審に思った。

「もしかして殺されたのではないか」と疑ったジョンがネットで調べたところ、2カ月半ほど前に、すぐ近くで似たような事件が起きていたことに気づいた。

 ジョンはガブリエルの元彼をFacebookで調べ、「ガブリエルはもしかしたら殺されたのかも」とメッセージを送った。元彼からの返信には「同じ墓場で、昨日、若い同性愛男性の遺体が発見されたようだ」と書いてあった。

 自身もゲイであるジョンは、「次は自分が狙われるのではないか」と恐怖を覚えた。警察に電話し、「若いゲイ男性をターゲットにした連続殺人事件かもしれない。次に殺されるのは自分かもしれない」と訴えた。しかし、「どれも薬物過剰摂取した事故死」「連続殺人事件じゃない」と相手にしてもらえなかった。

 その後、ガブリエルの元彼が、Facebookで次のような情報を入手した。

・ガブリエルと同じ墓場で遺体が発見されたのは21歳のダニエル・ウィットワースという男性。

・ガブリエルとダニエルは亡くなる直前、バーキングで開催された乱交パーティに一緒に参加していた。

・中年男性たちがドラッグや酒などを提供し、3日間ノンストップで乱行を続けた。乱行というよりは、ドラッグで意識を失った若い男を、中年男性が強姦するという集団レイプだった。

 このパーティーが彼らの死と関係しているのではないかと推測したジョンは、再び警察にコンタクトを取ったが、この時も軽くあしらわれてしまった。

 憤りを感じたジョンは、あてにならない警察ではなく、今度はLBGT関連のニュースサイトにアプローチをかけた。だが、警察は彼らメディアの取材に対しても「殺人事件ではない」と言い放った。そして、ダニエルの所持品に「誤ってガブリエルに致死量の薬物を与えてしまい、殺してしまった。罪悪感に耐えられないので自分も死ぬ」という遺書があったとして、警察はガブリエルの死は事故で、ダニエルの死は自殺と断定したのである。

 問題の遺書は「自分のせい」「自分が悪い」と繰り返し書かれているだけで、家族への言葉が全くないという違和感のあるものだった。しかし、警察はダニエルの遺書として事件を片付けたのだ。

 数カ月後、ジョンは刑事から「バーキングで新たに若いゲイの男性が殺害され、11月23日に容疑者を逮捕した。ガブリエルを殺害したのも恐らく彼だろう」と連絡を受けた。

 逮捕されたのは、ステファン・ポートという41歳の中年男。ゲイ専用出会いサイトや出会い系アプリで男を漁り、デートレイプドラッグを混ぜた飲み物を与えて酩酊させて強姦を繰り返していた。ガブリエルやダニエルら少なくとも4人の命を奪ったとされており、捜査を混乱させるためダニエルに偽の遺書を持たせたり、Facebookで偽の情報を流すなどしていたことが判明した。

【閲覧注意】「苦しむ死に様」をビデオに撮りためた連続殺人鬼ステファン・ポート! 若く美しいゲイを次々に惨殺!
(画像=ステファン・ポート。画像は「Murderpedia」より引用、『TOCANA』より 引用)

 ジョンは「あれだけ強く殺人じゃないのかと訴えたのに」と刑事に詰め寄り、「警察が“若いゲイはドラッグをやって乱行するもの”という偏見を持っていたからだ」と怒りを露わにした。もし、ジョンの言葉に耳を傾けて殺人事件として捜査を行っていたら、ダニエルもその後の被害者も死なずに済んだかもしれないと憤った。

 ゲイへの偏見を利用した卑劣な手口で強姦や殺人を繰り返したステファン・ポート。彼は一体どんな人物で、どんなやり方で犯行を重ねていたのだろうか。