サイコパスにして稀代のシリアルキラーであるテッド・バンディが殺害した女性は30人以上といわれているが、実際にはその3倍以上、つまり100人以上の女性と少女を殺害していた可能性を著名な犯罪学者が指摘している――。
稀代のシリアルキラーの犠牲者は100人以上!?
甘いマスクと誰からも好感を抱かれる物腰の柔らかさで婦女子を魅了して次々と毒牙にかけるサイコパス・シリアルキラーの代名詞がアメリカのテッド・バンディ(1946-1989)だ。

1975年に逮捕された当初、バンディは容疑を否認し続けていたが、その後最終的には1974年から1978年にかけて全米で30人の犠牲者を出した殺人事件を認めた。
1974年、バーモント州バーリントンの法学生であったバンディは、ワシントン大学に通う女子生徒の寝室に忍び込み、眠っているところに暴行を加えてレイプする犯行を繰り返しており、そのほとんどを残酷に殺害したのだった。
この27歳の時の一連のレイプ殺人がバンディの最初の犯行だとされているが、しかし作家で犯罪学者のマット・デリシ氏は、バンディが思春期から殺人を始めていた可能性が高いと考えている。
デリシ氏は著書『Ted Bundy and the Unsolved Murder Epidemic: The Dark Figure of Crime』(2023年刊)の中で次のように述べている。
「バンディは約30人の若い女性と少女の公式の被害者よりもはるかに多くの殺人を犯していた少なくない手がかりを残しています。1974年から1978年にかけての彼の殺人のペースと自信は、彼が始めたばかりだったはずがないことを示しています」(同著より)
つまり最初に容疑者となった殺人事件の時点で、彼の犯行は手馴れていたものであったというのである。
「私にとって、それは何年もこれを行ってきた人物を反映しています」(同著より)
当時はDNA鑑定と指紋の証拠が不足していたため、バンディのような殺人犯が犯行の発見を逃れやすくなったとデリシ氏は説明している。
