FPで得た学びは就活や仕事に「付加価値」を付けられる
―――FPの資格をもっていれば、仕事で昇進や昇給をするときに有利でしょうか?
FPの資格を取得しただけでは、昇進や昇給に有利になるとは限りません。前提として、資格はあくまで知識を得るための「ツール」であると理解しておく必要があります。
私は、大学卒業後に例年10%程度の合格率だとされるFP1級を取得しました。とはいえ、専門的な知識のある証明をもったとしても、お金の相談の依頼がすぐに舞い込んでくるわけではなかったんですよね。
もちろん、金融機関のようなお金と密接に関わる企業に勤めていれば、FPの資格を活かしてステップアップしやすいと思います。
それでは「金融関連ではない企業に勤めている人がFPを取得するメリットはあるのか?」という質問については、大きく分けて2つ考えられます。
1つ目は、先ほど申し上げたように、お金に関わる適切な決断ができるようになることですね。プライベートが充実して、仕事にも余裕が生まれることが予想できます。
2つ目は、仕事をしていくなかで「お金を支払う」というプロセスに対しての知識を取得できることです。
たとえば、不動産の知識だけがある営業員より、住宅ローンの毎月の支払い額やライフスタイルの変化を含めた提案ができる人の方が、契約率が上がるのではないかと思います。
FPの勉強で得た知識で仕事に「付加価値」を付けられることが、資格そのものよりも重要だといえますね。
―――FPの取得は、就活でも有利になるのでしょうか?
FPは有名な国家資格なので、取得実績をアピールできるケースはあります。ただ私からは、FP取得によって「社会へ飛び込む自信がもてる」との観点で、就活に役立つことを伝えたいです。
たとえば、FP2級の勉強をしているだけで、おのずと法人関係のお金の知識を得られます。企業が利益をあげる仕組みや税金の納め方への理解が深まるため、ほかの就活生より1歩進んだ視点でビジネスを考えられるようになるんです。
つまり、FPの知識を活用すると、これから飛び込んでいく社会が未知なものではなくなり、自信をもって就活へ臨めるようになるんですよね。
さらに、国家資格に合格したという成功体験が加わり、前向きな気持ちで社会人に向けた行動をできるようになりますよ。
後編では、FP1級合格者が続出しているという「FPキャンプ」の運営もおこなっているほんださんに、FPの資格取得に向けた勉強のコツを教えてもらいました。