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当初はワゴンのはずだった?!エステートバン4WD
大本命のレオーネセダン4WD登場!

当初はワゴンのはずだった?!エステートバン4WD

「よし、一般ウケするクルマを作ろう」「あれ?結局ツウしか買ってなくない?」初代スバル レオーネ【推し車】
(画像=レオーネツーリングバン4WDは乗用車の快適性とクロカンに次ぐ悪路走破性を併せ持つ画期的なクルマだったが、乗用登録のワゴンとして売れなかったのが惜しかった,『MOBY』より 引用)

その一方で、初代レオーネといえば有名な4WD車の開発も並行して進められています。

一般的には、「ff-1 1300G末期に、東北電力からの依頼を受けた宮城スバルによる改造4WDが原点」とされてはいますが、それ以前に世界初のファーガソン式フルタイム4WD車として市販された、イギリスのジェンセン FF(1966年)に刺激された構想は存在しました。

もっとも「我々もこういうのを作りたい」程度だったようですが、宮城スバルからスバル(当時は富士重工)本社に持ち込まれた改造車はまさに渡りの船、そこからトントン拍子に開発は進みます。

そもそも初の市販車スバル1000から、スバルの小型車は「縦置き水平対向エンジンの後ろにミッション&デフを配して前輪を駆動」というレイアウトですから、ミッションからそのまま後ろへプロペラシャフトを伸ばし、リアデフを配置すれば後輪も駆動できます(※)。

(※後に直列4気筒エンジンながら縦置きFF車だった、トヨタのターセル/コルサ/カローラIIも同様の手法で4WD化、派生車の初代スプリンターカリブを生んでいる)

プロペラシャフトとリアアクスル一式は、当時提携関係にあった日産からブルーバード用の供給を受け、アッサリとレオーネ4WDが完成、ff-1 1300G 4WDバンの改造経緯もあって、まずはバンボディで1972年8月に「レオーネ エステートバン4WD」が発売されました。

一説にはビジネス用途が重視されたのでバン4WDが先行した…と言われますが、実際には当時高まりつつあったレジャー用途へも対抗すべく、5ナンバー(乗用登録)の「エステートワゴン4WD」として発売するはずだった…とも言われています。

実際、エステートワゴン4WDとして宣材写真も撮影されていたので、エステートバン4WDの初期カタログに掲載されている車両は5ナンバー車でした(後に4ナンバーに修正されますが、5ナンバーのまま出回っている中古カタログがあります)。

そのあたり、運輸省(当時。現・国土交通省)からの認可がらみだったとも言われますが、ワゴンは輸出仕様にしか存在せず、国内版レオーネにエステートワゴンとその4WD車が設定されるのは、2代目途中での追加を待たねばなりません。

大本命のレオーネセダン4WD登場!

「よし、一般ウケするクルマを作ろう」「あれ?結局ツウしか買ってなくない?」初代スバル レオーネ【推し車】
(画像=2年車検の5ナンバー乗用登録で登場したレオーネセダン4WDは、前後輪のマッドフラップも似合うクロスオーバーな4WDセダンで、どうしても腰高で悪目立ちするため特殊な通好みのクルマだが、必要な人にとっては最高のクルマだった。,『MOBY』より 引用)

しかしレオーネエステートバン4WDはビジネス用途のみならずレジャー用途でも販売好調で、1975年1月にはいよいよ乗用登録(5ナンバー)の大本命、「レオーネ4ドアセダン4WD」が追加されました。

ジープなどクロカン4WDが苦手とする高速安定性は、スバル1000以来の前輪駆動によって優れ、快適性はもちろん普通のレオーネと同様、オフロードや積雪路面など低ミュー路で4WDに切り替えれば(パートタイム4WDだった)、悪路走破性も抜群!

ジープ型のクロカン4WDほどではないものの、FF車より高い最低地上高と、ローギアード化された変速機(そのため最高速はやや低くなったが)による走破性は、雪国のみならず、当時まだ未舗装路が多かった地方のドライバーに大歓迎されたのです。

もっとも、1979年までという長いモデルサイクルは当時としては長すぎ、デザインの陳腐化が問題になりましたし、4WDのイメージが強すぎて「必要な人が使う特殊なクルマ」というイメージがつき、4WD車ゆえに腰高となるフォルムも拍車をかけました。

そのため量販大衆車としては大成功とまではいかなかったものの、2代目以降でさらに商品力を高めていき、やがてプレミアム路線の礎となるレガシィやインプレッサのヒットに繋がっていったのは、間違いありません。

それに加え、厳しい排ガス規制対策時代にも「SEEC-T」と呼ぶ優れた排ガス浄化装置によって、日本版マスキー法たる昭和53年排ガス規制をクリアしつつ、ツインキャブ車の設定を続けたのも、マニアにはウケました。

結果的に当初目的とした「一般ウケするクルマ」とはならなかったものの、「通好みのクルマ」として定着したことが、後にスバリストと呼ばれる熱狂的な固定ファンを生んだと言えるでしょう。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

文・MOBY編集部/提供元・MOBY

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