■“夏の思い出”にセミが一役買う!?
17年周期の「Brood XIII」と、13年周期の「Brood XIX」は、イリノイ州北部とアイオワ州東部の狭い一帯に沿って同時期に羽化するという。「Brood XIII」はウィスコンシン州とインディアナ州の狭い地域でも出現するが、「Brood XIII」は中西部と南東部全体に広がるということだ。
オハイオ州マウント・セント・ジョセフ大学の生物学名誉教授で『A Tale of Two』の著者であるジーン・クリツキー氏は、重複地帯が非常に狭いため、イリノイ州とアイオワ州ではセミの数が他の州に比べて目立って多くはならない可能性があると述べた。
クリツキー氏は科学系メディア「Live Science」に対し、0.4ヘクタールの森林地帯内で150万匹以上のセミが羽化する可能性があるが、森林伐採によりこれらの昆虫が繁栄するために必要な森林の多くが失われていると語る。
ショックリー氏は、セミは昆虫が出現する場所に近い森林地帯や緑豊かな都市空間に集まる可能性が高いと語り「都市部では、セミの死体の始末が必要になるほどの数が存在するだろう」と付け加えた。ちなみにセミの死体は腐敗する際に腐ったナッツのような忘れられない独特の臭いを発するという。

今年の二重羽化イベントは7月上旬に終了する可能性が高いという。科学者らは、セミは生態系にとって有益で、人体には無害であり、病気を媒介することもないため、増えたとしても可能な限り何もしないことを推奨している。
羽化したセミは地表に穴を掘るときに土壌に空気を呼び込み、メスが産卵すると自然な剪定作業が行われることで、その結果翌年より多くの花や果実が成長することになると、セミが自然環境にもたらすメリットをクリツキー氏は指摘する。
「多数の成虫のセミはあらゆる種類の捕食者に食糧をもたらし、セミの個体数にプラスの影響を与える可能性があります。最後にセミが死んだ後、その腐敗した身体が大量の窒素やその他の栄養素を土壌に提供します」(クリツキー氏)
人畜無害であるだけに“セミが多い夏”を共有できるのはむしろ得難い貴重な体験になるかもしれない。今年は“夏の思い出”にセミが一役買うことになりそうだ。
参考:「Live Science」ほか
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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