原料や輸送費の高騰、円安、世界情勢により商品やサービスの価格を調整しなければならないケースが増えています。その際、取引先や消費者に向けて実施するのが「価格改定のお知らせ」です。真摯に価格の改定を伝えることで、顧客からの信頼を維持できます。

メールで伝える場合は基本的な型が決まっているので、それをベースに自社の想いが伝わるお知らせを作りましょう。

本記事では、さまざまな業界で使えるテンプレートと書く際に気を付けたい6つのポイントを解説します。値上げだけでなく値下げで使えるテンプレートもご紹介します。


本記事の内容をざっくり説明



  • 価格改定を事前に伝える理由とは?

  • 価格改定のお知らせメールを書く際の6つのポイント

  • 値上げ・値下げのお知らせメールで使えるテンプレートをご紹介



価格改定をする際には事前に伝えることで信頼を崩さない

価格改定が決まった場合、取引先や消費者に対して必ず価格改定のお知らせをする必要があります。その際、なるべく事前にお知らせを出しましょう。遅くても1ヶ月前に自社ホームページでお知らせしたり、プレスリリースを配信したり、メールでお知らせしたりするなどすることで、信頼が崩れるのを防げます。

価格改定は取引先や消費者にとって重要な問題です。商品やサービスを値上げすることで売上減少に繋がることを恐れ、価格改定のお知らせを出さない企業も存在しますが、そうした対応は消費者が実質的な値上げに気付きにくいことから「ステルス値上げ」と呼ばれており、炎上するリスクを孕んでいます。

取引先や消費者に周知せず、こっそりと価格改定を行うことは企業への不信感や反感に繋がります。人件費や原材料費、輸送コストが増加すれば、価格改定は避けられません。売上への影響を最小限にとどめるには、価格改定に至った理由を取引先や消費者に理解してもらうための誠実な対応が大切です。

価格改定のお知らせのメールの書き方6つのポイント

価格改定のお知らせメールは、取引先や消費者の理解を得るために出すものです。メールの文面は、価格改定によって多方面に与える影響を考慮した内容であることが大切です。相手に好印象を与える価格改定のお知らせメールを書く際の6つのポイントを解説します。


価格改定のお知らせのメールの書き方6つのポイント



  • ポイント1.価格改定があるとわかる件名にする

  • ポイント2.価格改定に対するお詫びを誠意を持って伝える

  • ポイント3.価格改定する理由と経緯を明記する

  • ポイント4.いつから、いくら価格改定するのか明記する

  • ポイント5.お客様からの問い合わせ窓口を明記する

  • ポイント6.価格改定の2、3ヶ月前には送信する



ポイント1.価格改定があるとわかる件名にする

価格改定のお知らせメールを書く際の1つ目のポイントは、価格改定があるとわかる件名にすることです。

価格改定メールを送る際、件名はわかりやすさを意識しましょう。「(商品名)価格改定のお知らせ」「(商品名)価格改定のご案内」「(商品名)価格の見直し」など、価格を変更する商品名も件名に入れると、内容がよりわかりやすくなります。

ポイント2.価格改定に対するお詫びを誠意を持って伝える

価格改定のお知らせメールを書く際の2つ目のポイントは、価格改定に対するお詫びを誠意を持って伝えることです。

取引先や消費者にとって、価格改定による値上げは自社の売上や生活に大きな影響を与えます。なぜ価格改定しなければならなかったのか、納得することができなければ他の商品やサービスの利用を検討することも考えられます

そうした事態を防ぐには、お知らせメールに価格改定に対して誠意を感じられるお詫びの文章を入れることが大切です。「ご負担が大きくなってしまいますことを心よりお詫び申し上げます」「大変心苦しいお願いではございますが〜」「誠に不本意ではありますが〜」などの一文を入れるのが一般的です。

ポイント3.価格改定する理由と経緯を明記する

価格改定のお知らせメールを書く際の3つ目のポイントは、価格改定の理由と経緯を明記することです。

なぜ価格改定に至ったのかを丁寧に説明することで理解が得られ、取引先や消費者は今後も自社の商品やサービスを利用し続けてくれます。企業が利益を得るためではなく、商品やサービスの品質を維持するために必要な価格改定であることを合理的に説明しましょう

理由や経緯はさまざま考えられます。「新型コロナウイルス感染症の感染拡大」「輸送コストの増大」「原材料の高騰」「人件費の上昇」などが主な理由として挙げられます。理由や経緯は誤魔化すことなく誠実に明記しましょう。

ポイント4.いつから、いくら価格改定するのか明記する

価格改定のお知らせメールを書く際の4つ目のポイントは、価格改定の時期と改定後の金額を明記することです。

価格改定の理由や経緯を説明した後、わかりやすく価格改定の対象商品や改定時期、改定後の金額を記載します。「価格改定日」「価格改定対象商品」「改定価格」の3つに分けて箇条書きにするのが一般的です。

ポイント5.お客様からの問い合わせ窓口を明記する

価格改定のお知らせメールを書く際の5つ目のポイントは、問い合わせ窓口を明記することです。

問い合わせ窓口は、メールアドレスや電話番号、問い合わせフォームなど、いくつかの問い合わせ方法を記載しておくと親切です。電話番号の場合は必ず対応時間も明記しておきましょう。

ポイント6.価格改定の2、3ヶ月前には送信する

価格改定のお知らせメールを書く際の6つ目のポイントは、価格改定の2,3ヶ月前にはメールを送ることです。

価格改定のお知らせメールは早ければ早いほど、取引先や消費者に与える印象が良くなります。該当の商品やサービスを利用し続けるかどうかを検討したり、対応するために準備したりする必要があるからです。

価格改定の2,3ヶ月前にはお知らせメールを送れるよう、価格改定の話し合いをスケジュール立てて進めましょう。