ご飯にカニ玉が載っている中華料理、それが「天津飯」です。
日本ではすっかり中華料理の定番として定着しています。
しかし、実はこれ中国発祥ではないと知っていましたか?
今回はそれら日本で生まれた「天津飯」について解説します。
ここでは「天津飯」がどのような料理なのかも含めて説明するので、ぜひ参考にしてみてください。

目次
「天津飯」の発祥はどこ?
天津飯にのっている「カニ玉」は中華料理!

「天津飯」の発祥はどこ?

カニ玉がのっていておいしい中華料理の「天津飯」!この料理は日本生まれって本当?!
(画像=『FUNDO』より 引用)

まずは「天津飯」の発祥がどこなのかを見てみましょう。
実は「天津飯」は日本の東京発祥説と大阪発祥説の2つがあります

東京生まれとする説
「天津飯」は東京生まれとする説があります。
特に東京で店を構える「来々軒」が発祥の地とされるようです。
「来々軒」は日本に初めてラーメンを持ち込んだとされる中華料理店です。
その料理人が「早く食べられるものを」という要望に応えて作ったのが「天津飯」だったとされています。
なお、関東の「天津飯」は甘酢あんかけをかけるのが定番とか。

大阪生まれとする説
「天津飯」は大阪生まれとする説もあります。
中でも大阪に店を構える「大正軒」が発祥の地とされるそうです。
「大正軒」は日本で古くから愛されていた中華料理店です。
その料理人が戦後食糧難にあえぐ中国の食習慣「蓋飯」をヒントにして考案したのが「天津飯」だったとされています。
ちなみに、関西の「天津飯」は醤油あんかけをかけるのが王道とか。

中国の料理人が伝授したとする説
その他の説では中国の料理人が伝授したという話もあります。
その料理人というのが馬蓮慧という人物だったとされています。
1909年、日本の神戸と中国の飲食文化の交流が行われたそうです。
その際、日本は味の素を紹介したとされています。
その代わりに中国は「天津飯」を伝授してくれたのだとか。
当時の「天津飯」は卵を黄身と白身に分けてご飯の上に載せたものだったそうです。
さらにその上にエビを載せ、上からとろみをつけた塩味のあんかけをかけたものだったのだとか。
この「天津飯」は「芙蓉蟹」と呼ばれる「カニ玉」を使用していないのが特徴となっています。
そのため、現代の「天津飯」と呼ばれるものとは別物だったと考えられます。
それら発祥も未だはっきりとしていないのが「天津飯」なのです。

天津飯にのっている「カニ玉」は中華料理!

カニ玉がのっていておいしい中華料理の「天津飯」!この料理は日本生まれって本当?!
(画像=『FUNDO』より 引用)

「天津飯」は中国ではなく日本が発祥となります。
しかし、上に載っているカニ玉はどうやら違うようです。

カニ玉の現地名は「芙蓉蟹」
「天津飯」自体は日本生まれの中華料理となっています。
しかし、卵は広東料理「芙蓉蟹」が原型となっています。
「芙蓉蟹」はいわゆる「カニ玉」のことです。
中国ではこれをご飯に載せて食べることはあまりありません。
ただ、日本ではそれを載せて「天津飯」としたとされるのだとか。

カニ玉は中華風オムレツ「芙蓉蛋」のアレンジ料理のひとつ
日本で親しまれている「カニ玉」は「芙蓉蛋」をアレンジしたものです。
通常「芙蓉蛋」は中華風オムレツのことを意味します。
そこにカニを入れたものが「芙蓉蟹」と呼ばれるのだとか。
つまり「カニ玉」は「芙蓉蛋」のアレンジ料理と言えるでしょう。