使う前に歯ブラシを洗わなくても衛生的に問題ないのか

「歯ブラシを濡らしてから歯磨き粉をつけることが駄目だとは言いませんが、あくまでも本来の目的を忘れず、先に歯ブラシに水をつけたことで歯磨き粉が泡立ちすぎるようであれば、一度うがいをして再度歯磨きをするようにしてください」

 しかし、歯ブラシを濡らしてから歯磨き粉をつける人は、歯ブラシの汚れを取ることが目的の一つだろう。歯ブラシを水につけずに使用することは不衛生ではないのだろうか。

「私たちは普段からたくさんの細菌たちと共生しています。また、空気中のほこりや細菌も生活するだけで体に入ってきています。そのため、歯ブラシがすぐに不衛生になるというわけではありません。しかし、歯ブラシ後はよく洗って水気を取り、換気の良いところに置く必要はあります。湿気の多いところだとカビが発生します。

 色々なことを加味すると、歯ブラシは1カ月に1回、交換するのが望ましいです。また、歯ブラシを後ろから見たときにはみ出して見える時は、1カ月たっていなくても交換してください。毛先の広がった歯ブラシで磨くと、汚れが取れないどころか歯茎を傷つけてしまいます」

 また、清潔な歯ブラシにつける歯磨き粉の量にも適量があるという。

「テレビCMのように歯ブラシいっぱいに歯磨き粉をつけてはいけません。使用量の目安は、生後6カ月〜2歳で3mm程度、3〜5歳で5mm以下、6歳以上で1cmくらいを参考にしてください。

 ちなみに歯磨き粉の幅は、歯磨き粉のチューブの口と同じくらいの幅です。たくさん歯磨き粉を使っても、歯磨き粉を使いきれず、きちんと磨けなくなるので注意してください」

 歯ブラシを清潔に保ち、適量の歯磨き粉を用いて正しいブラッシングを心掛けることが、きれいな歯を保つ秘訣といえる。

「正しいブラッシング法を知らない方も、意外と少なくありません。ブラッシング方法は歯医者さんで、ぜひ聞いてください」

 唯一絶対の正解はないのかもしれないが、現時点において多くの歯科医がお勧めしているのは、歯ブラシは濡らさず、少なめの歯磨き粉で、丁寧にブラッシングする、ということのようだ。

(文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト)

提供元・Business Journal

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