冬になるとサカナが美味しくなるのはなぜなのか。調べてみました。

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冬になるとサカナが美味しくなる理由は2つ 寒さへの対策と産卵への備えだった?

冬に美味しいサカナ

「冬のサカナは美味しい」というのは、昔から多くの方が知っています。特に名前の最初に『寒』が付いているものは、非常に美味しくなります。

例えば寒ブリ・寒タラ・寒サワラ・寒サバ・寒ヒラメなどはその代表ともいえるでしょう。

そういう特に美味しい時期をまさに旬と言い表現しますが、冬は旬のものが多い時期です。それはいったいなぜなのでしょうか。

理由(1)産卵に備えるため

春に産卵時期を迎えるサカナは多く、冬の時期に産卵に備えて体内に脂質やアミノ酸などをため込み、栄養分が多くなるため美味しくなるパターンです。

春に産卵を迎えるサカナはたくさんいるので、エネルギーに満ち溢れているサカナが美味しい!と感じるのです。

理由(2)寒さに備えるため

冬は海水温が下がるため、魚自身が身を守るために脂肪を蓄えます。

というのも、冬が太陽の出ている時間が短く、気温も低いため海面付近のえさとなるプランクトンが多くありません。

その状況に備えて秋から初冬の間に多くのエネルギーを脂肪と蓄え、エサの少ない冬に備えるのです。

この脂肪にうまみ成分がたっぷり蓄えられており「脂ののったサカナは美味しい!」となっています。

またサカナのもつ脂は、動物性の脂とは異なり、不飽和脂肪酸といわれ、ここ近年は健康の為にとても注目されています。

特に不飽和脂肪酸の一つで、体に良いと言われているオメガ3脂肪酸の「DHA(ドコサヘキサエン酸)」、「EPA(エイコサペンタエン酸)」は、サカナの脂には沢山含まれており、それを理由にあらためてサカナを食べる習慣の大切さが見直されております。

冬が終わると不味くなる?

脂がのる理由の一つは、海水温が下がることで、サカナが寒さから自らの身を守るために脂肪を蓄えることにあります。

海水温が下がるにつれてこの脂肪は増え蓄えられていきますが、反対に冬の終わりから春、夏にかけては、海水温が上昇していくため、徐々にサカナの脂肪分は少なくなり、冬と比較すると、脂がのっていない、パサパサ、ボソボソとした食感に感じてしまうことが多いのです。

こうなってしまうと口あたりも悪くなり、旨味を感じにくくなってしまうことから「不味い」と思ってしまうことが増えていきます。

この寒い今だからこそ、サカナは美味しく食べられるのです。