セイコー、シチズン、エプソン、カシオ。一般に“国産4大時計メーカー”と呼ばれ、名実ともに日本の時計界を代表する存在だ。本記事では、ウオッチライフニュースの兄弟メディアにあたるカジュアルウオッチ専門誌タイムギアで、恒例企画として実施している“売れ筋時計ランキング”をもとに、国産4大時計メーカーのブランド別売れ筋モデル第1位を紹介。その詳細や人気の理由を紐解いていく。

●SEIKO(セイコー)

創業140周年超の歴史をもつ日本を代表する腕時計メーカー、セイコー。世界的にもその存在感を強めている独立ブランドのグランドセイコー、クレドールを除き、2024年1月現在メンズ・レディース含め9つのブランドを擁しており、幅広いユーザーそれぞれに合った腕時計を展開している。なかでも“プロスペックス”、“プレザージュ”、“アストロン”の3つはとりわけ高い人気を誇り、とりわけ数量限定モデルの売れ行きが好調だ。なかでもプレザージュは、ほうろうや七宝といった大量に製造できない特別な文字盤を採用することが多いため、必然的に“数量限定モデル”の割合も多くなってしまうのだろう。

【プロスペックス:売れ筋1位】
SEIKO PROSPEX(セイコー プロスペックス)
ダイバースキューバ/Ref.SBEJ009

【セイコー、シチズン、G-SHOCKほか】国産4大時計メーカーの売れ筋1位を総まとめ!
(画像=■SS(42mm径)。200m防水。自動巻き(Cal.6R54)。20万9000円、『Watch LIFE NEWS』より引用)

CMで大谷翔平選手が着用したモデルとしても注目を集めたプロスペックス初となる機械式GMT搭載モデル。プロフェッショナルダイバーのデザインを受け継ぎつつ、72時間のロングパワーリザーブとGMT機能を搭載して強力にブラッシュアップ。深みのあるグリーンのトーンとセラミックによる光沢感あるベゼルが上質な印象を与えてくれる。ケースエッジやブレスレットなど、ポリッシュの美しさもハイレベル。また、クラシカルなテイストを残しながら、機能的には確実に進化した点が人気の理由だろう。外装だけでなく中身もしっかりスペックアップしており、ビジネスシーンでも活躍してくれそうだ。

【プレザージュ:売れ筋1位】
SEIKO PRESAGE(セイコー プレザージュ)
シャープ エッジド シリーズ/Ref.SARX077(画像左)

【セイコー、シチズン、G-SHOCKほか】国産4大時計メーカーの売れ筋1位を総まとめ!
(画像=■SS(39.3mm径)。10気圧防水。自動巻き(Cal.6R35)。12万1000円、『Watch LIFE NEWS』より引用)

日本独自の美意識を前面に押し出したコレクション。華美な装飾をそぎ落とした引き算の美学により洗練されたデザインを確立し、ブランドのニューアイコンとして定着。ケースやブレスレットはエッジを効かせた平面を中心に構成されており、袖口をすっきりとまとめ上げるシャープさを演出する。鏡面とヘアラインの使い分けなどにセイコーの技術力が光り、文字盤は厚さ0.4mmの金属板にわずかな高低差を付けることで、日本の伝統的な麻の葉紋様を直線で表現。光をうまく乱反射させて視認性を高めている。シックな伝統色と相まって深みのある美しさを生み出しており、非常に落ち着いた大人っぽい雰囲気を醸し出している。

【アストロン:売れ筋1位】
SEIKO ASTRON(セイコー アストロン)
アストロン ネクスター/Ref.SBXD013

【セイコー、シチズン、G-SHOCKほか】国産4大時計メーカーの売れ筋1位を総まとめ!
(画像=■TI(41.2×48.6mmサイズ)。10気圧防水。GPSソーラー(Cal.3X62)。23万1000円、『Watch LIFE NEWS』より引用)

エッジの効いた大胆な造形が目を引く、オリジナルのDNAを継承した次世代モデル。新開発のGPSソーラームーヴメントを搭載し、GPS衛星からの自動時刻受信機能“スーパースマートセンサー”によって実用性がアップ。多角形ベゼルの純チタンケースを採用したソリッドなルックスは、ダイナミックで抜群の存在感を放っている。文字盤も複雑なパターンを採用することで力強いイメージだ。8時位置のマルチインジケーターには、機内モードや充電量など様々な情報を表示可能で、機能性の高さが高評価された。トレンドの多角形ベゼルと水晶パターンの文字盤を合わせることで、質感の高いデザインに昇華されている。フルチタンならではの軽さにも注目したい。

【問い合わせ先】
セイコーウオッチお客様相談室
TEL.0120-061-012

●CITIZEN(シチズン)

“光発電エコ・ドライブ”をはじめ、“スーパーチタニウム”や表面硬化技術の“デュラテクト”といった独自の技術を盛り込んだ機能性の高いモデルを多く展開するシチズン。近年は“アテッサ”のアクトラインに代表されるような、スポーティさとエレガントさを融合したデザインで、オンオフ兼用で使えるようなモデルの打ち出しを強めている。実際、これが現代のニーズに非常にマッチしているようで、特にアテッサやシリーズエイトは、その機能性の高さもあってビジネスパーソンから高い支持を得ているというわけだ。他方、プロマスターでは、往年のチャレンジダイバーのデザインを継承した“メカニカルダイバー 200m”が2022年の発売以来、安定した人気を誇る。ほかプロマスターでは、本格的なスペックを備えながらも、差し色を効かせるなどでポップな味付けが加えられたモデルも多く、これらが上位にランクイン。そのギャップ感に引きつけられるファンは多い。

【シリーズエイト:売れ筋1位】
CITIZEN Series8(シチズン シリーズエイト)
シリーズエイト 880メカニカル/Ref.NB6031-56E

【セイコー、シチズン、G-SHOCKほか】国産4大時計メーカーの売れ筋1位を総まとめ!
(画像=■SS(41mm径)。10気圧防水。自動巻き(Cal.9054)。22万円、『Watch LIFE NEWS』より引用)

スマートで実用性の高いラインとして生まれたシリーズエイト初のGMTモデル。文字盤は東京の夜景をデザインソースに、ビル群の窓のイメージと繁栄の意味をもつ市松模様を組み合わせた複雑なパターンを採用。仕上げを使い分けた2体構造のケースは、裏ブタが同シリーズのレギュラーモデルとしては初めてシースルーになっている。また、デイリーユースに安心なスペックも大きな魅力だ。デザイン的にメリハリが効いた両回転ベゼルを採用し、3タイムゾーンに対応しているのはやはり便利。防水性能も10気圧としっかりしており、ディテールの作り込みもハイレベル。耐磁2種の機械式ムーヴメント搭載でありながら、20万円台前半というコストパフォーマンスの高さも光る。

【アテッサ:売れ筋1位】
CITIZEN ATTESA(シチズン アテッサ)
ACT Line エコ・ドライブ GPS衛星電波時計F950 ダブルダイレクトフライト サファイアベゼルモデル /Ref.CC4055-65E

【セイコー、シチズン、G-SHOCKほか】国産4大時計メーカーの売れ筋1位を総まとめ!
(画像=■スーパーチタニウム(44.6mm径)。10気圧防水。光発電エコ・ドライブ。30万800円、『Watch LIFE NEWS』より引用)

優れた機能性も魅力となったフラッグシップモデル。スーツスタイルとカジュアルの両方で使えるデザインをもち味とした“ACT Line”。ブラックチタニウムのマッシブな外装にサファイアベゼルを合わせた高級感あるルックスで、ベゼルには都市名を表記。クロノグラフ&ワールドタイマーとしての高い機能性をアピールしている。時刻合わせや定期的な電池交換が不要な光発電エコ・ドライブムーヴメントの便利さに加え、軽量かつ堅牢なチタン外装の実用性は、ビジネスパーソンからの圧倒的な支持を集めている。スーツに合わせても袖口で邪魔にならないスマートなデザインで、ビジネスウオッチとしては最強の1本と言える。

【プロマスター:売れ筋1位】
CITIZEN PROMASTER(シチズン プロマスター)
メカニカル ダイバー 200m/Ref.NB6021-17E

【セイコー、シチズン、G-SHOCKほか】国産4大時計メーカーの売れ筋1位を総まとめ!
(画像=■スーパーチタニウム(41mm径)。200m潜水用防水。自動巻き(Cal.9051)。10万7800円、『Watch LIFE NEWS』より引用)

現代版“フジツボダイバー”として高い人気を誇るモデル。1977年のチャレンジダイバーのデザインを受け継ぎ、強化耐磁仕様ムーヴメントを搭載して現代的にアップデートしたダイバーズウオッチだ。ケース素材はシチズン自慢のスーパーチタニウムを採用し、海でのアクティビティでも十分に使用可能。逆回転防止ベゼルやネジ込み式リューズなどディテールも本格的な仕様になっている。いわゆる“フジツボダイバー”の愛称で知られるモデルの進化形で、レトロ感あるルックスが往年のシチズンファンの心もしっかりと捉えた。インデックスや針の処理は立体感があり、水中での視認性も確保。柔らかなウレタンベルトも装着感が良い。11万円を切る価格も大きな魅力だ。

【問い合わせ先】
シチズンお客様時計相談室
TEL.0120-78-4807