シート自体は2列目にエグゼクティブラウンジシートとエグゼクティブパワーシートを、3列目に5:5分割2ポジションスペースアップシートを採用する。エグゼクティブラウンジに装備するエグゼクティブラウンジシートは、クッションチルト機構の導入により全身の筋力を最も使わない安定した着座姿勢を実現し、合わせて伸縮可能なオットマンによって踵までしっかりとサポート。ギア駆動方式と電磁クラッチ機構を内蔵して上質な動きを実現したパワーロングスライド機構も配備する。さらに、16個のエアブラダーの膨張によって背中から大腿部までを押圧するリフレッシュ機構や、加温範囲を従来型より拡大したオットマン&アームレストヒーター、防汚処理付バニティミラーやスマホおよびタブレットの立てかけ機能を組み込んだ回転格納式テーブル、後席の多彩な機能を1カ所で簡単操作できるリアマルチオペレーションパネル(脱着式)、TVやスマートフォンの映像をより鮮明に表示する14インチリアシートエンターテインメントシステム、そして下降タイプのパワーサイドサンシェード(スライドドアガラス/リアクォーターガラス)などを装備した。一方、ZプレミアとZグレードに採用するエグゼクティブパワーシートは、パワーオットマンや大型アームレスト(カップホルダー各席1個+ポケット付)、折りたたみ式サイドテーブル、快適温熱+ベンチレーション機構などを標準で組み込む。そして全車に採用する3列目のスペースアップシートには、跳ね上げアシスト機構や5:5分割機構、スライドおよびリクライニング機構を内蔵した。これらのシート機構を活用すれば、乗車人数および使用パターンに即して1/2列目フルフラットモードや2/3列目フルフラットモード、1/2列目4名乗車+荷室モード、2列目前方最大スライドの最大積載モード、2列目リラックス+荷室モード、2列目スーパーリラックスモード、2列目を左右別々にスライドしたトライアングルモードなどのアレンジを可能としている。
シート表皮はエグゼクティブラウンジとZプレミアにプレミアムナッパ本革を、Zに合成皮革を採用。内装カラーはアルファードのエグゼクティブラウンジにブラックとニュートラルベージュを、Zにブラックを設定し、一方でヴェルファイアはエグゼクティブラウンジとZプレミアともにブラックとサンセットブラウンを用意している。

















パワートレインに関しては、アルファードにA25A-FXS型2487cc直列4気筒DOHC・D-4Sガソリンエンジン(最高出力190ps/6000rpm、最大トルク24.1kg・m/4300~4500rpm)+5NM型フロントモーター(最高出力134kW、最大トルク270Nm)+ニッケル水素電池(5Ah)+電気式無段変速機で構成するシリーズパラレルハイブリッドシステムの2WD(FF)と、同システムに4NM型リアモーター(最高出力40kW、最大トルク121Nm)を組み込んだシリーズパラレルハイブリッドシステムのE-Four、そして2AR-FE型2493cc直列4気筒DOHCガソリンエンジン(最高出力182ps/6000rpm、最大トルク24.0kg・m/4100rpm)+Super CVT-iで構成するガソリンエンジン仕様の2WD(FF)と4WDを設定。一方でヴェルファイアは、アルファードと同ユニットのシリーズパラレルハイブリッドシステムの2WD(FF)およびE-Fourのほか、T24A-FTS型2393cc直列4気筒DOHC・D-4STガソリンターボエンジン(最高出力279ps/6000rpm、最大トルク43.8kg・m/1700~3600rpm)+Direct Shift-8ATで構成するガソリンターボエンジン仕様の2WD(FF)と4WDを設定した。
基本骨格にはTNGAプラットフォームのGA-Kをミニバン用に最適化して採用。また、ロッカーをストレート構造とし、同時に車体底部の後方にV字型ブレースを設けることで、車両剛性を従来比で約50%アップさせる。さらに、ボディには新設計の環状骨格構造を導入。加えて、乗員の足元付近に高減衰タイプの構造用接着剤を、車両後方のねじれ等が生じやすい箇所付近に高剛性タイプの構造用接着剤をそれぞれ最適に塗布することで、ボディの変形を効果的に抑制し、優れた操縦安定性と乗り心地を実現した。さらに、ヴェルファイアにはラジエターサポートとサイドメンバーを繋ぐフロントパフォーマンスブレースを追加し、さらなる剛性向上と走り出しから車両がしっかり動く応答性の良さを成し遂げている。
懸架機構はフロントにTNGA用のマクファーソンストラット式を、リアに新設計のダブルウィッシュボーン式を採用。ショックアブソーバーには地面から伝わる振動の周波数に応じて減衰力を機械的に可変させる周波数感応型を導入し、ミニバン特有の不快な振動の低減と走行時のフラット感を高次元で両立させる。また、2列目シートのクッションフレームの取付部分にゴム製のブッシュを配置したり、背もたれおよびアームレストに低反発のフォームパッドを内蔵したりするなど、徹底的に防振の工夫を図ったことで、乗員に伝わる振動を従来型比で約3分の1まで低減した。新開発の低騒音タイヤの採用や、カウル等に吸音材を設定するなどロードノイズ発生源への対策、エンジンフードの先端やドアミラー、フロントピラーといった風圧を強く受ける部分の形状を最適化するなどして、ロードノイズや風切り音を効果的に抑え込んだことも、新型のトピックである。さらに、ヴェルファイアにはステアリング、スプリング、ショックアブソーバーに専用チューニングを施し、合わせて19インチタイヤ&ホイール(225/55R19タイヤ&7J×19アルミホイール)を標準装備して、ドライバーの気持ちを鼓舞する気持ちの良い走りを付与した。




先進安全運転支援システムの拡充も見逃せない。プリクラッシュセーフティやレーントレーシングアシスト、レーンディパーチャーアラート、レーダークルーズコントロール、アダプティブハイビームシステム、ロードサインアシスト、ドライバー異常時対応システム、プロアクティブドライビングアシスト、発進遅れ告知機能、緊急時操舵支援(アクティブ操舵機能付)、フロントクロストラフィックアラート、レーンチェンジアシストなどで構成する最新の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を標準装備。また、並列駐車においては従来のバック駐車に加えて、前向き駐車、バック出庫、前向き出庫を可能としたトヨタチームメイト[アドバンストパーク]や、渋滞における高速道路・自動車専用道路走行時の運転負荷を軽減するトヨタチームメイト[アドバンストドライブ(渋滞時支援)]を設定する。コネクティッド機能の進化も図り、センター通信型コネクティッドナビ対応に車載ナビ機能をプラスした大画面14インチHDディスプレイオーディオや、話しかけるだけでクルマが応えるエージェント、クルマがWi-Fiスポットになる車内Wi-Fi、スマートフォンとクルマがいつでもつながるT-Connectスマートフォン連携などを採用した。

一方でアルファードにおいては、車外へのシートの出しろが少なく、省スペースでの乗り降りが可能なウェルキャブ(福祉車両)モデルのGサイドリフトアップチルトシート装着車(472万円~564万8000円)を設定する。立ち上がりをサポートするチルト機構やひざへの負担を軽減する2段折れ式フットレストを装備し、さらに今回新たにシートベルトを取り出しやすくするシートベルトプレートアームやリモコンホルダーを追加した。パワートレインは2.5Lガソリンエンジンと2.5Lハイブリッドの選択が可能である。

なお、トヨタは今後、新型アルファードおよびヴェルファイアにプラグインハイブリッド車(PHEV)を設定すると予告している。
提供元・CAR and DRIVER
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