運転免許の取り方

私生活や仕事の通勤に使ったり、車を扱って仕事をしたりする人なら欠かせない資格が「自動車運転免許」(以下、運転免許と表記)です。
初めて運転免許を取得したいと考えている人に知ってもらいたいのは、「取り方」は複数存在するということ。以下のような方法が存在します。
- 自動車教習所へ通う
- 合宿免許に参加する
- 免許センターで「一発試験」を受ける
これら、3つの方法のうち、無難な選択となるのが「自動車教習所へ通う」もしくは「合宿免許に参加する」です。最後に紹介している一発試験は例外的な存在のため、基本的には2つの方法から選択することとなります。
それぞれの方法を選択して、運転免許を取得するまでにどれほどの時間や費用がかかるのでしょうか。今回は、運転免許の取り方を、方法ごとに取り上げて紹介します。
自動車教習所へ通う
今回取り上げる中で、身近な免許取得方法となるのが「自動車教習所へ通う」です。
自動車教習所では、運転の技術や交通ルール、緊急時の救護方法などを学びます。自動車教習所を選ぶ際、以下の2つの種類が存在しているのを押さえておきましょう。
- 指定自動車教習所(公安委員会から指定を受けている)
- 届出自動車教習所(公安委員会へ届出をしている)
自動車教習所の種類の違いで注目したいポイントが、“公安委員会から認定を受けているかどうか”です。以下、それぞれの教習所の特徴を取り上げてみました。
指定自動車教習所
「指定自動車教習所」は、公安委員会から認定を受けている自動車教習所を表しています。
入校して教習を受け、卒業検定まで合格すると、免許センターにて免許取得のために行われる「技能試験」が免除されるメリットがあります。教習所に在校している間に、仮免許の技能試験・学科試験を受けられるほか、「卒業検定」として本免許の技能試験を受けられるのが強みです。
ただし、本免許の学科試験のみ、免許センターにて受験する流れとなります。
届出自動車教習所
「届出自動車教習所」は、公安委員会から認定を受けておらず、法的な認定のみを受けている自動車教習所を表しています。
公安委員会から指定されている教習所ではなく、中には技能教習のための練習コースがないなど一定の基準を満たしていない状態で運営されている団体もあるようです。しかし、教習用の車両が用意されていたり、指導経験のある指導員が勤めていたりと、指定自動車教習所と共通する点も存在します。
注意したいポイントは、指定自動車教習所と異なり、仮免許から本免許まですべての技能試験・学科試験を免許センターにて受けなければならない点です。指定自動車教習所と比較して、手間がかかりやすいのを把握しておくとよいでしょう。
合宿免許に参加する
運転免許を取得する2つ目の方法が「合宿免許に参加する」です。
およそ2週間前後のスケジュールで、技能教習や学科教習をまとめて受けられるのが特徴で、高校生や大学生、専門学校生といった人々が「夏休み」「春休み」などの長期休暇を利用して参加しています。
合宿免許は地方の自動車教習所で実施されていることが多く、宿泊施設へ滞在しながら郷愁を受ける仕組みです。まとまった休暇が取れない社会人が参加するのは難しく、学生向けの免許取得方法と考えてよいかもしれません。
各地で実施されている合宿免許は、指定自動車教習所と同様で公安委員会の認可を受けているケースが多いです。卒業検定まで合格したのち、免許センターでの技能試験が免除され、学科試験に合格できれば運転免許を取得できます。
免許センターで「一発試験」を受ける
2つ提示したうち、例外となる方法が「免許センターで一発試験を受ける」です。
自動車学校へ通ったり、合宿免許に参加したりせずに各都道府県に存在する「免許センター」で免許取得のための学科試験・技能試験を受けて合格する方法で知られています。ごく稀に、「飛び込み」や「飛び入り」、「一発免許」とも呼ばれているようです。
「一発試験」という呼ばれ方をしていますが1回の試験で免許取得が決まるのではなく、自動車学校や合宿免許と同様で“仮免許試験”と“本免許試験”の2段階を経なければなりません。加えて、3年以上の運転経験者を同乗させた状態で5日間以上の路上練習をしなければならなかったり、路上練習をした結果を報告するための「路上練習申告書」というレポートを作成したりするなど手間がかかります。
短期間で取得できるように見て取れますが、通常であれば自動車学校や合宿免許で指導員が担う内容も受験者が担当するのが特徴です。初めて運転免許を取得する人には険しい道のりとなるでしょう。
【教習所】運転免許を取得する流れ

自動車教習所へ入校し、運転免許を取得する流れは以下の通りです。
- 入校手続き
- オリエンテーション・適性検査
- 第一段階学科教習・技能教習
- 修了検定・仮免学科試験
- 仮免許交付
- 第二段階学科教習・技能教習
- 卒業検定(技能試験)
- 免許センターにて学科試験
- 運転免許証の交付
入校手続きから適性検査、第一段階および第二段階の学科教習・技能教習、仮免許および本免許の試験までひと通り手順が決まっています。
第一段階の終了検定や仮免学科試験、第二段階の卒業検定など不合格となれば再度試験を受け直さなければなりません。スムーズに免許取得を実現するにはすべての試験で合格しなければならないため注意しましょう。
なお、技能教習は第一段階では教習所の敷地内にある練習コース、第二段階では一般道もしくは高速道路といった公道で行います。