共和党大統領候補ヘイリー氏は2023年第4四半期の資金調達で健闘するが、支持は伸びず

ヘイリー氏は資金調達面では健闘しているといっていい。手元資金は、トランプ氏のほうが大幅に上回っているが、2023年第4四半期だけの資金調達はいい勝負だった。2024年に入ってからHFシタデルのグリフィン氏は500万ドルをヘイリー氏に寄付したことが報じられた※8。

2023年第4四半期調達
2023年末の手元資金
共和党トランプ氏
$18,975,216
6500万ドル
共和党ヘイリー氏
$17,116,188
1450万ドル

1月の資金調達も好調だったようだ。1月単月で1650万ドルを調達し、大半は小口献金であつまったとのこと。トランプ氏がヘイリー氏の寄付者に対して “MAGA camp”から永久に閉ざすと脅したものの※9、逆に献金が集まる結果になったようだ。 トランプ氏の2023年10-12月(第4四半期)の資金調達は1900万ドルだったので、ヘイリー氏は1か月で資金調達したことになる。

しかしながら、予備選の世論調査をみるとヘイリー氏は勢いが増しているとは言いがたい。2/1に発表されたMonmouth / Wash. Postの世論調査では、サウスカロライナ州はヘイリー氏32%、トランプ氏58%と大差でリードされている。

サウスカロライナ州での共和党予備選でほぼ共和党予備選が決まるといっても過言ではない。1980年以来、2012年の例外を除き、サウスカロライナ州で勝利した共和党大統領候補が本選の候補者となってきた。

共和党候補者はほぼ決まったようなものではあるが、ヘイリー氏がどこまで支持を伸ばすかはみておきたいところだ。

スーパーチューズデー(3/5)に明らかになる第三党からの候補者

第三党として勢いを増す政党「No Lebel」は、まだ大統領候補者を発表していない。スーパーチューズデー(3/5)以降に発表することを明らかにしているため、誰を候補者にするかによってはまだ世論調査が動く可能性はじゅうぶんにある。 政党「No Lebel」 は、公開はしていないが15~25州ていどは大統領選挙の投票用紙に名前を載せられるという話だ。マンチン上院議員になるという話もあれば、ケネディ氏になるという話もある。

また、期待されている第三党のケネディ氏だが、先ほど示したとおり、資金調達額と手元資金をみる限りはバイデン大統領・トランプ氏に大きく出遅れていることがわかる。ケネディ氏は大統領選挙の投票用紙に名前を載せる各州の手続きを進めるものの、完了したのはUT州のみで苦戦が続いている。ケネディ氏は方針を切り替えたのか、リバタリアン党から出馬する可能性もでてきているようだ※10。

2024年はバイデンvsトランプの再選でほぼ決まってきているものの、スーパーチューズデー後の第三党「No Lebel」やリバタリアン党の動きによってはまだ番狂わせが起こる可能性はあるだろう。

※1:Historical Presidential Elections
※2:Michigan 2024 Presidential Election Polls、Nevada 2024 Presidential Election Polls
※3:A fraying coalition: Black, Hispanic, young voters abandon Biden as election year
※4:① opensecrets.org ②
※5:Trump doles out millions to lawyers: Here’s who’s getting the most
※6:FEC資料より
※7:Democrats hold vast fundraising advantage as Republicans face cash problems, disarray in crucial swing states
※8:Citadel CEO and billionaire Ken Griffin donated $5 million to Nikki Haley super PAC
※9:Scoop: Nikki Haley’s fundraising takes off while GOP tries to end her campaign
※10:RFK Jr.’s possible Libertarian bid rankles Democrats

編集部より:この記事は長谷川麗香氏のブログ「指数を動かす米議会」2024年2月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「指数を動かす米議会」をご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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