■青酸カリは身近な毒だった?

【毒薬の手帳】ググっても出てこない、青酸カリの本当の話
(画像=※イメージ画像:『大人のための図鑑 毒と薬』新星出版社,『TOCANA』より 引用)

 話は近代になり、シアン化合物は多くの化学工業の分野で活躍していくのですが、戦後は町中にメッキ工場などがあちこちにあり、今とは考え物にならないくらい薬品がズボラに管理されていました。そのため、くすねて持ち帰ることが可能だったので、「身近な毒」となったのです。故にミステリーにも採用されていたわけですネ。

 それが時代を経て、青酸カリの毒性だけが一人歩きして、ミステリー小説や漫画の中で、入手方法は不明だけど悪い奴が使う毒というよくわからない状況になってしまったといえます。もちろん現在、メッキ工場はなかなか町中にありませんし、あっても薬品の管理は厳重で、簡単に忍び込んで盗む…なんてことは非現実的です。

 そしてなにより青酸カリは毒殺に向いていないという最大の問題が立ちはだかります。

 ……それについては後編でお話しましょう。

(文=くられ)

提供元・TOCANA

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