2016年に設立されたUdaanは、大規模なBtoBコマースを展開するインドのスタートアップだ。2023年12月14日、同社が3億4000万ドルもの資金を調達したとの報道があった。

Udaanはインド語で「鳥、翼、飛躍」を意味する言葉。社名どおりに、さらなる飛躍となるのかUdaanの近況を見ていく。

BtoBコマースを展開するUdaan

Udaan公式サイトより引用

BtoBコマースは、企業同士が商材の売買を行う“Business to Business(法人対法人)スタイル”のeコマースのこと。Amazonや楽天のように一般消費者を対象にしたBtoC(法人対消費者)とは異なり、卸売り価格で大量に取引されるのが特徴だ。日本では、「モノタロウ」や「アスクル」がこれに該当する。

BtoBオンライン版の道を切り開いたとされるのは、中国のグローバル大手アリババだ。Udaanはインド版アリババとも呼ばれる存在で、インドのBtoBコマースをリードする存在である。アプリ上で日用品からホーム&キッチン、事務用品に野菜・食料品、衣料品・ホビー・家電などをワンストップかつ低価格で提供している。

Ubaanは900の地域で300万人以上もの登録ユーザー数、そして2万5000~3万人もの販売者ネットワークを持っている。インドの6000万以上のMSMEを占める1500万の製造業者、2500~3000万の小売業者、1000~1200万のオフィス・学校・HoReCa関連企業などに対して手軽なアクセス、そして全国的なリーチを提供している。こういった開拓の余地が広い点も、インドeコマースの魅力のひとつである。たとえば2022年度における日本の法人数は178万社であり、国内のeコマースとはスケールが大きく異なる。

売買プラットフォームだけでなく、物流倉庫・流通サービス、輸送・配送サービスを展開しているのも同社の強みだ。シームレスなプロセスを通じて、買い​​手(小売業者)が製品を選択し、売り手(卸売業者、ブランド、メーカー)に注文。売り手がそれを梱包して発送することが可能である。

あの巨匠Amazonでさえ、自社配送を最近開始しているが、まだ100%自社で賄えていない。実績が浅いながらも急成長を遂げた理由がここにある。