著名人が活き活きと自らのバンライフを発信したり、新たなベース車両として欧州車が本格上陸したりと、話題に事欠かないキャンピングカー業界。日本RV協会によると、2023年のキャンピングカー販売総額が過去最高の1,054億円を超えたことがわかった。
国内でのキャンピングカー保有台数は調査当初から増え続けており、またベース車両生産の一時中止などの悪条件があったにもかかわらず総生産台数は年間10,000台を突破。調査ではユーザーが感じるキャンピングカーの魅力も明らかになった。
販売売上総額、保有台数ともに過去最高を更新
JRVA(ジャルバ)こと「JAPAN RECREATIONAL VEHICLE ASSOCIATION(日本RV協会)」は、キャンピングカー製造・販売事業者等の会員で構成された一般社団法人だ。
「キャンピングカー文化を日本に!」をテーマに、くるま旅と車中泊の文化を創出するさまざまな活動を行っている。
年に1度、全国のキャンピングカーユーザーやメーカーなどを対象に調査を行い、キャンピングカーに特化した報告書として「キャンピングカー白書(旧)」を発行。今回は「日本RV協会 年次報告書2023」として最新の動向を発表した。
それによるとキャンピングカーの販売売上総額は増加傾向にあり、2023年は新車・中古車を合計して過去最高の1,054.5億円となった。これは対前年比138%の数値となる。
また、国内生産台数や廃車台数などから算出した国内キャンピングカーの保有台数は、調査当初から増え続け、2023年は前年比10,000台増となる過去最高の155,000台に到達した。
国内生産も堅調だ。インフレによるパーツの価格高騰、それによる生産能力の低下、国内メーカーによるベース車両生産の一時中止など、国内キャンピングカーの生産に影響を及ぼす出来事があったにもかかわらず、2023年の総生産台数は年間10,000台を突破し、10,090台となった。
背景には移動手段としてだけではなく、新しいレジャーの形、災害時の住居、テレワークができるオフィスとしての利用など、多岐に渡る活用方法への関心が高まっていることが挙げられる。
一方で世界に目を向けてみると、日本の国土面積に近いドイツでは約160万台のキャンピングカーが保有されているという。
これは日本に比べ約10倍の数値で、潜在的にはキャンピングカーにはそれだけの需要があると考えられる。日本でもますますユーザーが増え、バンライフや車中泊が文化として定着していくことが期待される。