ジャスティンも「衣装の不具合」だったとし、「不快な思いをさせてしまい、申し訳ありません」と謝罪を発表した。
ジャネットも繰り返し謝罪を表明。文書に加えて、ビデオで「スーパーボウルのパフォーマンスを変更するという決定は、最終リハーサルの後になされた」と述べ、「MTV、CBS、NFLは何も知らず、残念ながらすべてが最後に台無しになりました。不快にさせることは私の意図するところではなく、本当に申し訳ありません」と語った。
ニューヨークタイムズによるドキュメンタリー「Malfunction: The Dressing Down of Janet Jackson(2021)」で、関係者は、CBSやバイアコム、MTVの幹部らは、ジャネットの謝罪は不十分と感じており、ビデオ声明の裏にマネジメントからの働きかけがあったと明かしている。
ジャネットも2006年のオプラ・ウィンフリーとのインタビューで、マネジメントの要求に従ったと説明。衣装が取れたのはアクシデントであり、ビデオの謝罪は不本意だったと振り返っている。
ニップルゲートは、ジャネットのキャリアに大きく影響する。
スーパーボウルの翌週に開催されたグラミー賞では、パフォーマンスを予定していたが、出演が許されなかった。一方、ジャスティンはパフォーマンスを許可され、受賞スピーチで再び謝罪を表明した。CBS側は参加の条件にショーで謝罪することを求めていたという。
ビルボードによると、ラジオ放送インフィニティ・ブロードキャスティングとバイアコム(MTV、CBS)を傘下に持つクリア・チャンネル・コミュニケーションズは、ジャネットの全シングル曲とミュージックビデオをブラックリストに入れ、自社のすべてのチャネルでの放送を禁止した。結果、ハーフタイムショーの翌月にリリースしたアルバム「ダミタ・ジョー」は、自身の作品として1984年以来最低の売り上げを記録した。さらに映画出演契約からの降板、ディズニーワールドにあった「リズムネーション」のコスチュームのミッキー・マウス像の撤去など、数々の苦難に直面した。
騒動から今日でちょうど20年。ジャネットが不当に責任を負わされたとする声は多く、Xではハッシュタグ「#JusticeForJanet」が再浮上している。