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グループAがなくとも人気は不変
進化し続けて「MR」へ
グループAがなくとも人気は不変
まだ三菱ワークスのWRカー移行が本決まりでなかった時期、グループAマシンとしての開発が始まっていたエボVIIとは異なり、エボVIIIは最初からグループAを考慮しない初のランエボでした。
一応はランサーセディア(6代目ランサー)がベースのランサーWRCと技術的にフィードバックしあう関係にあったとはいえ、グループA時代と異なり結果が出せないWRCへの参戦は中断を挟んで停滞気味。
モータースポーツでの活躍はPWRC(プロダクションカー世界ラリー選手権)など市販車無改造に近いグループNマシンや、スーパー耐久レース、ジムカーナ/ダートラ/ラリーでの国内イベントに限定されていきます。
エボVIIIからは正式な輸出も始まり、「三菱を代表するスポーツカー」としての性格を強めていき、特に国内モータースポーツではデザインの不評から次第にシェアを落としたライバル、スバル インプレッサWRXに代わる主力マシンとなりました。
これはランエボがあくまで4ドアのスポーツセダンだったことも幸いしており、2ドアクーペの所有が許されない家庭でも、セダンなら…そのうえでカッコい最強マシンは何か…となった時に、エボVIII(特に一般向けGSR)がハマり役という事情もあるでしょう。
進化し続けて「MR」へ
エボVIII自体は、当時の三菱でデザイン部門のトップに立ったオリビエ・ブーレイによる、三菱のスリーダイヤモンドマークを中央に頂いた富士山型グリル、通称「ブーレイ顔」が特徴で、側面から見た際の鋭い顔つきはランエボによく似合いました。
ただ、三菱の新たなデザインアイデンティティとされたブーレイ顔は特に日本のユーザーから高い評価を受けず、性能本位なランエボとしても冷却性能よりデザイン重視か?と疑問を持たれた面もあり、この代限りで終わっています。
しかしそれ以外の冷却性能や空力性能の向上を狙った改良や、量産セダンとして世界初のCFRP製リアスポなど外装のリファイン、最大トルク(40kgf・m)を引き上げつつ耐久性向上を狙った4G63エンジンやターボの改良には成功。
加速重視の1速・最高速重視の6速に2~5速クロスを組み合わせた6速MTや、リアデフには左右トルク移動量を2倍に増したスーパーAYCも採用(RSはスーパークロス5速に機械式LSDのままで、6速MTやスーパーAYCはオプション)。
ボディ剛性を引き上げるための補強も細部に施し、GSRではMT専用ながらGT的要素をさらに増し、RSではエボVIIを上回る戦闘力発揮でユーザーの期待に応えていきます。
翌2004年2月にはサイドインパクトバーやルーフのアルミ化で10kgの原料に成功、GSRへのビルシュタインダンパー採用、同じくGSRとRS6速車へ大容量タービンを使った「エボVIII MR」を発売。
イヤーモデル制とも言える小刻みな進化の繰り返しで、常に最強の座を維持することで、いつしか国内モータースポーツの4WDターボクラスは「新旧ランエボ対決」の様相を呈していきました。
2005年からはランエボとしての進化の頂点、終末とも言えるエボIX/エボIX MRが登場し…というのは、また次のお話。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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