2024年は、年明けから激動の始まりとなった。当たり前だが、被災地では釣りどころではない。こんな時に釣りの力とは何か、文章の力とは何かと考えてしまう。今こそ原点に帰り「釣りの楽しさ」とは何かをより多くの人に伝えたいと思う。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター宮坂剛志)
初心者とベテランの違い
さて、それでは釣りの楽しさについて、筆者なりの視点を書いてみよう。ここではわかりやすく、初心者の楽しみ方とベテランの楽しみ方というように、大ざっぱに2つに分けてみた。
初心者の楽しみ方
まずは、初心者の楽しみ方だが、これはもう、魚を釣ることに限るだろう。具体的に書けば、魚が針に食い付いた時に竿から伝わる魚からの引き、ピクピク感とブルブル感、まさしくあれだろう。
アジでもシーバスでも、1度味わったらやめられなくなってしまう。それこそが醍醐味だ。もちろん、その後で魚を食べる楽しみもあるが、釣り上げた時の感動には勝てない。
ベテランの楽しみ方
一方、釣り歴の長いベテランの楽しみ方はと言えば、魚を釣った感動ではない。つまりそれだけでは満足しない体になっているのだ。では、ベテランの楽しみとは何なのかだが、自分の釣りのさらなる追究だろう。
ルアーフィッシングを例にすると、もっと釣るためには自分に何が足りなくて、どんなルアーをどこで使うべきか。など、技術や道具への探求の旅が始まる。しかし、これが実に楽しい。自分の思う通りに魚が釣れて、やってきたことが実った時など、感動を通り越してトイレも忘れてしまうくらいだ。けっして答えなどないのだが、またそれも楽しさの1つだとわかっているのがベテランだ。
道具選びの楽しみ方
次は道具選びだが、釣りは道具選びからすでに始まっているものだ。選び方しだいで釣果が左右されると言ってもいいくらいだ。しかし、釣り人は自分の意思で道具を選ぶこの時間が最も楽しかったりする。予算を考えながら店をウロウロし、目当ての品を見つけた時のあの高揚感は、まさしく釣りの楽しみだ。目当てのおもちゃを手にして無邪気に喜ぶ子供の姿と似ている。
実際はお金を出して購入するのだから、よく考えなくてはいけない。未来の釣果への投資。どうせいつか買うのだから、今買っても一緒だ。釣りのライターだから、これは仕事道具だ。そんなふうに思考がマヒしていないだろうか。いくら道具選びが楽しいからといっても、お小遣いがなくなってしまっては悲しい。よく考えて道具は買う方がいい。