地方の小規模スタートアップの成長を支援するESG活動も

さらに、J&Tは中小企業のビジネス促進にも取り組んでいる。2023年4月には、ベトナムで伝統工芸品を主幹産業とする村との協力を発表。同国での全国規模のネットワークを活かし、地元の物流事業の発展とデジタル化促進を支援するとした。同様にフィリピンでも、パンデミックで困難に直面した地方の中小企業にスポットを当てるキャンペーンを展開し、販売のオンライン移行を促すなど、各国で類似の活動を行っている。

J&T Express公式サイトより引用

自社の成長はもちろん中小企業も支援することで「国際的物流のリーダー」を目指す同社。

中国においても2019年の進出以降、OPPOや国内第2位のEコマースプラットフォーム拼多多(ピンドゥオドゥオ)との提携、物流大手「百世集団」や順豊控股傘下の「豊網速運」買収などを経て、J&T(中国では「極兔速逓」という名称)3年も経たないうちにシェア10%を獲得した。昨年10月末には香港証券取引所で上場を果たし、国際物流のリーダーを目指すうえでマイルストーンに到達したと述べている。

創業者2人の母国である中国でもこうして拡大を続けてはいるが、過度なダンピングを行わないよう中国当局から警告されるほどの低価格戦略により、同国での物流事業は赤字となっている。今年1月には、同じく低価格を売りとする格安アプリTemu(ティームー)との新たな提携を交渉中と報じられた。この提携で同社が強みとしているラストワンマイル配送に集中し、利益増となるのだろうか。

引用元:J&T Express
J&T Singapore