■デザインと空力性能
デザインは、よりシャープなプロポーションとポルシェデザインのDNAを融合させ、ダイナミックで圧倒的な存在感を放つフォルムとなっている。

ボディサイズは、全長4784mm、全幅1938mm、全高1622mm、ホイールベース2979mmで、先代モデルよりホイールベースが86mm延長されているが、電気自動車ならではの短い前後のオーバーハングによってスポーティなスタンスを生み出している。

ヘッドライトは2つの部分に分かれており、4灯のデイタイムランニングライトを備えたフラットなアッパーライトユニットは、フェンダーに埋め込まれて車幅を強調。

特徴的なサイドブレードを備えたフレームレスドアと流れるようなルーフラインの組み合わせにより、スタイリッシュでスポーティなデザインを実現。またショルダー部が強調され、リヤに力強い印象を与えている。

新型マカンは、デザインDNAを活かしながら航続距離を延長するため最適化されたエアロダイナミクスを融合させていることも特筆される。
アクティブ、パッシブ空力エレメントを採用したポルシェアクティブエアロダイナミクス(PAA)により空気抵抗はCd=0.25となり、市場で最も空力性能に優れたSUVのひとつだ。PAAシステムには、アダプティブ・リヤスポイラー、フロント・エアインテークのアクティブ・クーリングフラップ、完全に密閉されたアンダーボディのフレキシブルカバーにより構成されている。
またヘッドライトモジュール下のエアカーテンと低く構えたフロントエンドが、空気の流れを最適化。リヤでは、横方向のエッジとルーバー付きディフューザーが空力性能を高めている。
新型マカンは、パフォーマンス志向のSUVでありながら、実用性、高品質な装備、広々とした室内空間のパッケージングを実現。電動化によってマカンのラゲッジスペースは拡大されたのだ。リヤシート後方のラゲッジ容量は最大540L(カーゴモード)、さらに、ボンネットの下には「フランク」と呼ぶ容量84Lのセカンド・ラゲッジコンパートメントを確保。先代モデルを127Lも上回っている。リヤシートを畳むとリヤラゲッジコンパートメントの容量は最大1348Lに拡大し、また2000kgの最大けん引性能も際立っている。
■インテリアとインフォテイメント
インテリアでは、室内のフロントシートは従来よりも28mm低められ、リヤシートも15mm低く、足元スペースが増加。コックピットの幅は、一体化したブラックパネルによって強調され、センターコンソールのせり上がるデザインは、車高が低くパフォーマンス重視のコックピットという印象を高めている。

最新のデジタルユーザーインターフェースに加えて、吹き出し口やエアコンのスイッチ類など、アナログのコントロール・スイッチも配置。LEDライトストリップが、コックピットとドアのトリムストリップに組み込まれており、アンビエント照明やコミュニケーションライトとして機能する。このLED照明は状況に応じて、挨拶、充電プロセス、ドライバーアシスタンスシステムなど情報や警告も行なう機能を持っているのだ。

インフォテイメントでは、曲面デザインの12.6インチのインストルメントパネルと、10.9インチセンターディスプレイを含む、最大3つの画面を備えた最新世代のディスプレイと操作系が装備されている。また、オプションの10.9インチディスプレイを介して、走行中の乗員によるインフォテインメントシステムの情報の閲覧、設定の調整、ビデオコンテンツのストリーミング再生も初めて可能になっている。

さらに、AR(拡張現実)技術によるヘッドアップディスプレイも初めて装備されている。ナビゲーションの矢印などの仮想エレメントは、視覚的にシームレスに現実世界に統合され、8.7インチディスプレイのサイズに相当する画像がドライバーの10m前方に表示されるようになっている。
こうした最新のインフォテイメントはAndroid Automotive OSを基盤としており、標準装備されるポルシェコミュニケーションマネジメント(PCM)により、例えば“Hey Porsche”と呼べば答える音声アシスタントは、充電ステーションを含むルートを瞬時に提案できる。また、新しいポルシェアプリセンターでは、サードパーティプロバイダーの人気アプリに直接アクセスし、マカンに直接インストールすることもできる。
なお、新型マカンの日本国内の予約受注開始日、価格、日本仕様は未定だ。
提供・AUTO PROVE
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