開幕まで1ヵ月を切り、J2リーグの各クラブも2024シーズンを戦う陣容が固まりつつある。選手たちの去就を見ると、J2におけるストライカーの充実ぶりは新シーズン楽しみの1つと言えよう。昨2023シーズンのJ2得点王FWフアンマ・デルガド(V・ファーレン長崎)や、39歳にして今なおゴール前で存在感を放つFWピーター・ウタカ(ヴァンフォーレ甲府)など外国籍選手には今年も多くの期待が寄せられることだろう。
しかし、日本の若い選手たちも負けず劣らず豪華な顔ぶれであることを忘れてはならない。ここでは、2024シーズンさらなる飛躍と成長が期待できる新加入の若きストライカーたちを5名、昨シーズンの活躍も含めて紹介していく。
中島大嘉(藤枝MYFC)
昨年6月、北海道コンサドーレ札幌から名古屋グランパスへ期限付き移籍したFW中島大嘉は、この冬より藤枝MYFCへ期限付きで移籍することが決まった。2023シーズンは札幌と名古屋それぞれで出場機会を得るもゴールを奪えず。中島にとって悔しいシーズンだったと言えよう。
移籍先である藤枝は昨夏、チームの攻撃を牽引していたFW渡邉りょうがJ1のセレッソ大阪へ移籍し、シーズン途中に大きな得点源を失っていた。さらにこの冬には、MF横山暁之がJ2のジェフユナイテッド市原・千葉へ移籍。チームの攻撃力低下が懸念される中での加入ということもあり、中島に懸かる期待は大きくなるに違いない。
2024シーズンはパリ五輪のメンバー入りを果たすためにも重要なシーズン。現時点では、FW細谷真大(柏レイソル)を筆頭に、昨年J2の町田ゼルビアで優勝と昇格に貢献したFW藤尾翔太らに大きく後れを取っている中島。巻き返しを図るためにも、開幕からスタメンを掴み数多くの得点に絡む姿を見せてほしい。
森海渡(横浜FC)
昨2023シーズン、徳島ヴォルティスは開幕から11戦未勝利と大きくつまづいた。そんな苦境において、柏レイソルから期限付きで加入していたFW森海渡がチームを立て直す働きを果たしたと言えよう。
開幕戦こそスタメン出場を果たした森だったが、第2節以降は出場時間が限られゴールもなかなか奪えずにいた。しかし、第10節以降スタメンに返り咲くと第12節のジュビロ磐田戦で待望の加入後初ゴールをマーク。そこから第16節のツエーゲン金沢戦までの5試合で6ゴールをマークし、多少の距離をものともしないシュート力と技術で圧倒的な存在感を放った。
シーズンを通して挙げたゴールも13とチームトップ。さらに言えばこの数字は、2023シーズンのJ2リーグにおける日本人トップタイの数字でもある。今冬は確かな実績を引っ提げて所属元の柏へ帰ると思われたが、J2降格となった横浜FCへの移籍を選択。昨年夏に海外挑戦を果たしたFW小川航基(NECナイメヘン)に代わる存在として、期待が高まっていることは間違いない。