セーフティ設定で酒・薬物・暴力などへの反応をインプット

もう1つアップグレードされた機能が「Contextual Mesh」だ。ここでの「Contextual」とは「慣習的な・常識的な」ほどの意味で、「Mesh」とは網目でふるいにかけることを指す。キャラクターの行動や言動を様々な角度からふるいにかけて、特定していくことができる。

Contextual Meshで設定可能な項目は「Configurable Safety」(設定可能セーフティ)、「Knowledge」(知識)、「Player Profiles」(プレイヤーキャラクターの各種属性)、「Relationships」(プレイヤーとの関係構築)、「4th Wall」(第四の壁)の4点だ(「4th Wall」機能は現在企業向けバージョンにのみ実装)。
上記の中で「Configurable Safety」は、NPCの言動がゲームの年齢制限から逸脱しないよう、酒や薬物、暴力などに対する反応を設定する機能だ。たとえば酒類に対して「Strict」、「Mild」、「None」のいずれかを設定できる。「Strict」を選択すると、どんな場面においても酒に対して常に厳しい態度・言動が生成される仕組みになっている。

暴力に関しても同様。もし「None」を設定すると、そのキャラクターはゲームの中で一貫して危険で暴力的な行為をとることになる。そのほか性的な話題、信仰、政治など数多くの項目をキャラクターごとに設定できる。まるで、身近にいる誰かのようなリアルな人物がゲームに臨場感を与えるに違いない。

主人公やメインキャラクターにかまけてNPCをなおざりにすると、ゲーム世界のリアリティや没入感が損なわれてしまう。反対にNPCの描写にまでこだわって作りこめば、プレイヤーのエンゲージ率が増加するのだ。Inworld AIのNPC作成ツールが、これからのゲームの質を変えていくことになるだろう。現時点では日本語版がないのが残念だが、ゲーム立国である日本としても早期の日本語版リリースを待ちたいところだ。英語版にはなるが、無料のデモで誰でも気軽にNPC作成にチャレンジできる。興味がある人は、どんなNPCが作成できるのか、先行して試してみるのもいいだろう。

引用元:Inworld AI 公式サイト

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(文・MI001YOU)