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N-BOXにトップを奪われても揺らがない、スズキの誇り
最新技術で驚異の低燃費エコカーへ!5代目(2012年)

N-BOXにトップを奪われても揺らがない、スズキの誇り

「そのとき軽自動車に革命が起きた」驚異の低燃費を誇ったトールワゴン!スズキ ワゴンR【推し車】
(画像=左からワゴンR・ワゴンRカスタムZ・ワゴンRスティングレーの「7代目ワゴンRファミリー」…ワゴンRスマイルはスズキ的に別腹らしい?、『MOBY』より 引用)

かつては軽自動車に革命を起こした無敵の主力車種、そして今でもスズキにとっては重要な柱の1つであることに間違いない軽トールワゴン、「ワゴンR」。

世の中の全てがスライドドアの軽自動車を好むわけではなく、ネームバリューの高さもあって、MOBY編集部がAiに聞いた、「30~50代のクルマ好きが気になる名車」には歴代ワゴンRが堂々とノミネートされています。

今回は5代目と現行の6代目を紹介しますが、5代目以降はホンダ N-BOXの登場で「不動の軽自動車No.1」から滑り落ちた世代…しかしそれでも地味に落ち着くことなく、果敢なクルマづくりは称賛に値すると言ってよいでしょう。

最新技術で驚異の低燃費エコカーへ!5代目(2012年)

「そのとき軽自動車に革命が起きた」驚異の低燃費を誇ったトールワゴン!スズキ ワゴンR【推し車】
(画像=見た目は4代目リファイン版でも中身はすごい5代目ワゴンR,『MOBY』より 引用)

2012年8月にモデルチェンジした5代目ワゴンRはそれまでと異なり、「N-BOXの大ヒットで一気に活気づいた軽スーパーハイトワゴンに軽自動車の主力を奪われ、2番手に甘んじることを宿命づけられたモデル」でした。

ただし、当時のスズキで軽スーパーハイトワゴンといえば、FF軽乗用車初の後席両側スライドドア車だったのにも関わらず、カスタムモデルのデザインが地味なためか販売がパッとしなかった「パレット」と後継の初代「スペーシア」。

初代スペーシア末期の派生車スペーシアカスタムZ(2016年)と、2代目スペーシアカスタム(2017年)がアグレッシブデザインでヒットするまで、5代目ワゴンRは依然としてスズキ軽自動車No.1であり、販売の主力でした。

そのためデザインこそ4代目のリファイン版で新味に欠けたとはいえ中身は一新、「スズキグリーンテクノロジー」第1弾として、環境性能を高める最新技術が結集されています。

新型エンジンR06A、車内電装品用のリチウムイオンバッテリーへ減速時の回生エネルギーを充電してエンジンの負担を減らす「エネチャージ」やアイドリングストップの採用、アイドリングストップ中も蓄冷剤で車内温度上昇を抑制する「エコクール」などを満載。

その結果、JC08モード燃費はFF自然吸気エンジンCVT車比で、先代末期の最高22.8km/Lから28.8km/Lへと劇的に向上し、2010年代の軽自動車らしい低燃費となるだけでなく、販売価格も約111万円からと、先代からわずか4万円程度の価格アップで達成します。

これは4代目までのワゴンRを一気に旧式化させ、全く異なる新世代軽自動車へステップアップしたといってもよい進化でしたが、さらに後期型では上級グレードへ簡易的なマイルドハイブリッドシステム「S-エネチャージ」を採用。

これはエネチャージではエネルギー回生を行う程度だった強化オルタネーターを、エンジンスターター機能や低~中速域でのモーターアシストまで可能な「ISG」へと進化させたもので、スズキとしてはツインハイブリッド(2003年)以来の軽ハイブリッド車でした。

ワゴンRスティングレー(3代目)

「そのとき軽自動車に革命が起きた」驚異の低燃費を誇ったトールワゴン!スズキ ワゴンR【推し車】
(画像=5代目ワゴンRでスティングレーとしては3代目,『MOBY』より 引用)

標準車に対するカスタムモデルの「スティングレー」もモデルチェンジ、内外装は先代からのリファインですが、標準車にターボエンジンが設定されなくなったので、ターボ車が欲しければ必然的にスティングレーを選ぶ事になりました。

「スズキグリーンテクノロジー」の恩恵はこのターボ車にもおよび、最高出力64馬力とスポーティな動力性能は維持したうえで、JC08モード燃費26.8km/L(FF・CVT車)と、19.0km/Lに過ぎなかった先代ターボ車に比べ圧倒的!

当時の軽ターボ車としては凄まじいレベルの低燃費を誇ったのです。