イヤホンの購入を検討している人の中には、骨伝導イヤホンに興味があるという人もいるかと思います。近年、メジャーになってきた骨伝導イヤホンですが、どうやって選べばいいのでしょうか?
この記事では、骨伝導イヤホンの仕組みや選び方を詳しく解説します。骨伝導イヤホンを使うメリット・デメリットもあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
骨伝導イヤホンとは
テレワークが増えたことにより、長時間イヤホンを装着している人も多いのではないでしょうか。イヤホンをつけたままの状態が続くと、耳がかゆくなったり、痛みが出てきたりします。
そのような人におすすめなのが、「骨伝導イヤホン」です。ここでは、骨伝導イヤホンがどういったイヤホンなのか、仕組みと特徴、骨伝導イヤホンのメリット・デメリットについて解説します。
仕組みと特徴
「骨伝導」とは、頭蓋骨を通して内耳に直接振動を送り、脳に音を届ける方式のことです。通常のイヤホンでは、外耳や中耳にある鼓膜を経て、脳へ音を届けています。一方、骨伝導イヤホンの場合は、外耳や中耳を通さず頭蓋骨に音の振動を直接伝えることで音を伝えます。
これは自分が発した声が自分で聞こえたり、ご飯を食べているときの咀嚼音が自分で聞こえたりするのと同じ仕組みです。つまり、決して特殊な聴こえ方ではなく、普段から馴染みのある聴こえ方です。
骨伝導イヤホンは、イヤホンの振動部分をこめかみ付近に装着して使用するのが一般的です。耳をふさがないため圧迫感を得にくく、長時間のリスニングも快適に行えます。
発売当初は、ラインナップが多くありませんでした。近年はさまざまなメーカーから販売されているため、自分の好みに合った製品を選ぶようにしましょう。
メリット
骨伝導イヤホンの仕組みを理解したところで、ここからは骨伝導イヤホンを使うメリットを紹介します。骨伝導イヤホンの主なメリットは、以下の3つです。
■鼓膜を保護できる
■周囲の音が聞こえる
■長時間の使用でも耳が疲れにくい
■鼓膜を保護できる
1つめのメリットは、鼓膜を保護できる点です。これまでの通常のイヤホンには、大音量で長時間使用すると、鼓膜に悪影響を与えるリスクがありました。その点、骨伝導イヤホンであれば、鼓膜を通さずに音を聞けるため、音楽を大音量で楽しんだとしても、鼓膜へのダメージを大幅に減らせます。
■周囲の音が聞こえる
骨伝導イヤホンの特徴は、耳をふさがないことにあります。言い換えれば、耳がふさがれていないため、イヤホンをつけながらでも周囲とコミュニケーションが取れる点がメリットです。
たとえば、歩いている際に近くを車が通過する音や、自転車に乗っている最中に聞こえてくる信号音、周囲の人々の声といった外部の音をしっかりキャッチできます。これにより、交通事故や障害物への衝突リスクも大幅に低減するでしょう。
また、急に話しかけられる機会が多い人の場合でも、周囲の状況に気を配りながら音楽を楽しめます。骨伝導イヤホンは、日常使いから運動まで、リスクを減らしながら幅広く活躍するイヤホンです。
■長時間の使用でも耳が疲れにくい
圧迫感がなく耳が疲れにくいため、長時間使いやすい点もメリットです。従来のイヤホンやヘッドホンの場合、耳への圧迫感を覚えることがあります。そのため、長時間の使用には向かないことも多くありました。その点、骨伝導イヤホンであれば、耳の中や上を覆うことなく骨を通して音を伝えるため、長時間の使用でも耳への負担が少なくすみます。
また、耳をふさがずこめかみ付近に装着して使用するのが一般的なため、耳の穴が小さくて通常のイヤホンが合わない人にもピッタリです。
デメリット
メリットがある一方で、骨伝導イヤホンにはデメリットも存在します。骨伝導イヤホンのデメリットは、以下の2つです。
■音漏れが激しい
■普通のイヤホンと比べると音質はやや劣る
■音漏れが激しい
骨伝導イヤホンは耳をふさがない構造上、音漏れが発生しやすいのがデメリットです。一般的なイヤホンであれば、耳をふさぐため、ある程度音漏れを予防できます。しかし、骨伝導イヤホンは音が密閉されておらず、周囲にはシャカシャカとした音が漏れてしまう可能性が高いことに留意しておきましょう。
そのため、図書館やオフィスなどでの使用は向きません。使用する場合は、音量を抑えるなどの注意が必要です。なかには、音漏れを低減していると謳っている製品もあるため、気になる人はチェックしてみてください。
また、人の体質によっては骨伝導によるリスニングが合わないことがあるため、注意が必要です。
■普通のイヤホンと比べると音質はやや劣る
2つめのデメリットは、一般的なイヤホンの音質と比べると、骨伝導イヤホンの音質がやや劣ってしまう点です。
鼓膜を介さずに音を感じられる点が骨伝導イヤホン最大の特徴ですが、同時に音質に関する一部の制約ももたらします。特に、深みのある低音や重低音の再現性に関しては、従来のイヤホンやヘッドホンと比較して物足りなく感じることがあるでしょう。
また、製品によって性能差も激しく、低価格の製品を選んでしまうと音質が悪い場合もあります。少しでも音質にこだわりたいのであれば、アンプの有無や対応コーデックにも注目してみましょう。詳しくは、次項の音質で解説します。