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どのくらい頑丈なの?
世界のいろいろな防弾車

どのくらい頑丈なの?

防弾ガラスの防御能力については、NIJ規格(NIJ-0108.01)が指標としてよく用いられます。この規格は、米国の国立司法省研究所(NIJ : National Institute of Justice)が制定したもので、防弾ガラスの能力を6段階でランク付けしています。

一番性能が低いレベルは、警察官などが所持している一般的な拳銃の弾を阻止することが可能。最高レベルは、強力なライフルの弾丸も貫通させない能力を持ちます。

ただし防弾ガラスは、防弾効果を上げるために、生板(フロート)ガラスが使用されているため、小石などがガラスに当たっただけで簡単に割れてしまう、という欠点があります。

また、寒冷地においては、ガラスが凍り付いた状態で暖房をつけると、中間膜や内側のポリカーボネート層が剥離してしまうこともあるため、寒冷地での使用には熱線ヒーター入りの防弾ガラスが必要です。

ちなみに、通常のクルマのガラスは20年経っても問題なく使用できますが、防弾ガラスは、中間膜や内側のポリカーボネート層が熱に弱いため、その耐用年数は3年から6年ほどといわれています。

世界のいろいろな防弾車

アメリカ

クルマの防弾ガラスはどれだけ頑丈なのか?
(画像=『CarMe』より引用)

アメリカ大統領専用車のキャデラック・ワン(別名:ビースト)は、アメリカの自動車メーカー・シボレーの高級車キャデラックをベースとしています。

ビーストという別名のとおり、まさに“野獣”、“動く要塞”と呼ぶにふさわしい重装備の数々が備えられており、現在の米国大統領であるトランプ氏は、このキャデラック・ワンを17億円かけて、さらなるセキュリティー強化をしたそうです。

日本

クルマの防弾ガラスはどれだけ頑丈なのか?
(画像=『CarMe』より引用)

日本の内閣総理大臣専用車には、長らく、トヨタ センチュリーが使われていましたが、2008年にレクサス LSが追加配備となりました。

クルマの前面に青色LED灯が備えられており、この青色LED灯を点滅させて走行します。なお、キャデラック・ワンと違い、総理専用車は、セキュリティ上の理由から、詳しい装備などは明らかになっていません。

ローマ教皇「ポープモービル」

別名パパモビルとも呼ばれるローマ教皇の専用車は、教皇が移動の際に使用する専用車で、20世紀の半ばまで使用されていた移動式玉座を自動車で代替したものです。後部座席が特徴的で、大きな防弾ガラスで囲まれた教皇席が設けられています。

ポープモービルにはいろいろなかたちがありますが、2012年メルセデス・ベンツがローマ教皇庁に納めた、Mクラスをベースにしたものが有名です。1981年、ヨハネ・パウロ2世が襲撃されて以来、使用されるようになりました。

世界では、NIJ規格の最高ランクでも防ぐことができない特殊兵器も登場しているそうです。要人を守るこうした防弾車は、これからも進化を続けていくでしょう。

文・吉川賢一/提供元・CarMe

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