ソーシャルスタイル理論とは、人の言動や傾向・特性を4つに大別するコミュニケーション理論です。自他の傾向・特性を把握することで、円滑なコミュニケーションが取りやすくなるとして注目されています。
本記事ではソーシャルスタイル理論の活用方法や、スタイルごとのコミュニケーションのコツを解説します。自他のスタイルを知り、コミュニティづくりに活かしましょう。
- ソーシャルスタイル理論の概要と注目される背景
- ソーシャルスタイル理論を公私の生活に活かす方法
- タイプ別の傾向・特性と、各スタイルとの接し方
ソーシャルスタイル理論とは
ソーシャルスタイル理論とは、発言や感情表現の方法などの傾向により、人の言動や特性を4つに分類するコミュニケーション理論です。
人の言動をタイプ別に分けることで、自分の特性を知り、ほかのタイプとのコミュニケーションを円滑に進めやすくなります。1968年に、アメリカの産業心理学者のデビット・メリル氏が提唱しました。
注目される背景
ソーシャルスタイル理論が注目される背景には、社会の変化により一人の人が接する相手が増えたことがあるでしょう。私たちは公私にかかわらず、毎日多くの人と接しています。
ビジネスの世界では、たとえば接客業やコールセンターなどの仕事で、毎日異なる相手とコミュニケーションを取らなければなりません。このような仕事でなくとも、終身雇用の崩壊やフリーランスの台頭などにより人材の流動性は高まり、直接接する人数は増えています。
プライベートな生活でも、インターネットの普及や交通手段の発達により接する人数は増えました。価値観の多様化やジェンダーフリーにより、友人関係はもちろん、家庭というコミュニティの多様性も高まりました。
異なる価値観・特性の相手とスムーズにコミュニケーションを取ることの重要性は高まっているにもかかわらず、その難易度も上がっているのです。
この「コミュニケーションの難しさ」を解決するひとつの手段として、人の特性を4つに大別し、パターン化するソーシャルスタイル理論が注目されています。
ソーシャルスタイルを人間関係に活かすには?
ソーシャルスタイル理論を人間関係に活かすには、自分と相手のスタイルを知り、それに合ったコミュニケーションを取りましょう。ソーシャルスタイルを活用して人間関係をつくる流れを、3ステップに分けて解説します。
STEP1.自分のスタイルを知る
ソーシャルスタイル理論を活用するなら、まずは自分のスタイルを知りましょう。自分のことを深く理解することには、相性のいい相手・悪い相手を見極めたり、精神が安定したりといったメリットがあります。
自分のスタイルを知るには、「ソーシャルスタイル診断」をしましょう。ソーシャルスタイル診断は下記のようなWebサイトで、無料で行えます。
>>WOWOWコミュニケーションズ「ソーシャルスタイル診断」
STEP2.相手のスタイルを知る
自分のスタイルだけわかっていても、相手のスタイルを知らなければ、それに合ったコミュニケーションは取れません。
ただ、新しい人と知り合うたびに、相手にソーシャルスタイル診断を受けてもらうわけにもいかないでしょう。ソーシャルスタイルの4つのタイプにはそれぞれ特徴があります。それを覚え、「この人はたぶん、このタイプだな」とアタリをつけられるようにしておきましょう。
相手のスタイルを推量するとき、まずは「自分から発言することが多いか」「感情が表に出やすいか」をチェックします。
それぞれ以下のように分類されます。
- 周りの発言を待つ+感情が表に出にくい:アナリティカル
- 自分から発言する+感情が表に出にくい:ドライビング(ドライバー)
- 周りの発言を待つ+感情が表に出やすい:エミアブル
- 自分から発言する+感情が表に出やすい:エクスプレッシブ
STEP3.相手のスタイルに合わせたコミュニケーションを取る
自分と相手のスタイルがわかったら、相手のタイプに合わせたコミュニケーションを取ってみましょう。円滑なコミュニケーションを目指すなら、自分ではなく、相手のスタイルやルールを優先します。
ただ、自分のスタイルを知っておくことで「そのタイプのよくあるミス」に気をつけたり、「相性のいいタイプ」を見極めやすくなったりします。