中国経済の今後は?

―――話は変わりますが、IMFの経済成長率を見ると、中国は今でも欧米と比べて高い成長率を維持している一方で、最近だと不動産バブルが崩壊するんじゃないかとか、人口のピークを迎えたといわれています。現地に滞在している田中さんとしては、どう感じていらっしゃいますか。

経済成長については、これまでとは違うステージに入ってくるだろうなと思います。

人口は、今までのように増えるよりも減少に向かっていく。高齢化が進んでいるのは、もう数字的にも明らかですし、ひとりっ子政策をやめたとしても、2人以上産む家庭も増えていない。

不動産についても、相当大きな問題になっています。中国の不動産業界は大ダメージを受けていますが、まだ改善されていない状況なので、経済にネガティブな影響を与えるだろうと思っています。

ただ、経済成長においては今までとは同じような期待を持てない一方で、日本企業が中国市場への進出をやめるべき、撤退するべきかというと、そうではないと思っています。

グローバルにおいて競争力のあるサービスや製品は、量があって初めて出てくるもので、いまの中国マーケットの大きさから考えても、日系企業は中国市場を変わらず目指すべきだと思っています。

第4回「減り続ける貯金、正規より多いインターン…… 上海で起業し苦難を乗り越えてきた「匠新」代表・田中年一さんが大事にしてきた考えとは」へ続く。