朝晩の冷え込みが徐々に厳しくなり、いよいよ冬本番が近づいてきました。こうして寒くなると、朝のお出かけ前にフロントガラスが凍っていて、すぐにクルマを出せなかったりしますよね。氷を溶かすには=熱湯が有効に思えますが、クルマではそれが大変なトラブルにつながることもあるのです。

Chapter
- フロントガラスは複雑
- 霜取りには何が適している?
- 雪国で重宝している対策

フロントガラスは複雑

フロントガラスの霜取り、なぜ熱湯はダメなの?
(画像=『CarMe』より引用)

クルマのフロントガラスは、2枚の材質の違うガラスとその間に特別なフィルムを挟んだ合わせガラスです。

これは、事故などでフロントガラスが破損した際に、ガラスが飛散しないようするためです。構造が、熱湯をかけてしまった際の大きな問題となるのです。

ガラス素材は、熱によって少なからず膨張することはご存知かと思います。フロントガラスは、前述したように2枚のガラスの中間に柔軟で硬い層を挟んだ構造で、フロントガラスが凍るような寒い朝には、ガラス表面にお湯を掛けても室内側のガラスにはお湯の温度が伝わりません。

一方、外側のお湯を掛けたガラスは、膨張します。このとき外側と内側のガラスの膨張率に大きな差が生まれ、外側だけが曲がり急変形を起こし、限度を超えるとガラスに亀裂が生じます。

つまり、フロントガラスに霜がつくほど寒く、ガラスの表面温度は0度以下になっている状態のとき、そこに熱湯をかければ、瞬間、表面(外側のガラス)は90度から100度ほどの温度変化を起こし、外側のガラスが破損することに繋がるというわけです。

また、飛び石でできていたガラスの傷が広がって、大きな破損につながってしまうこともあります。そのため、熱湯をかけて霜を溶かそうとするのは、おすすめできません。

霜取りには何が適している?

フロントガラスの霜取り、なぜ熱湯はダメなの?
(画像=『CarMe』より引用)

簡単なのは、水道水やぬるま湯をかけることです。軽度の霜であれば、15〜20度程度のぬるま湯でも、霜は取れてくれますので、バケツ2杯分くらいの水をかけるといいでしょう。

ただし、外気温が氷点下になっている場合は、掛けたそばからお湯や水が凍結するのでおすすめできません。

停車中に霜がつかない環境を作ることができるのなら、それがベストです。屋内での保管はもちろんですが、カー用品店で売っているフロントガラスカバーをかけるのも効果的です。

外気とフロントガラスが触れなければ、フロントガラスが凍りつくことを防ぐことができます。霜がついてしまったときには、市販の解氷スプレーを使用するのがベストです。