定年後も人生は続く

メチャ当たり前のことだけど、定年後も人生は続いていく。男性は仕事に生きる人が多く、家庭よりパブリックを優先する人も少なくない。そのスタイルのまま定年に突入すると、後悔するというのだ。オレはそのことを、精神科医の和田秀樹氏の書籍「人は「感情」から老化する」で紹介されていたエピソードで理解したつもりだ。

同氏の著書によると、夫は定年まで頑張って勤め上げた。彼はこれまで仕事人生だったことに負い目を感じており、定年後は妻との時間を取り戻そうと、一緒に楽しめる活動を模索していることをウッキウキで妻に話した。すると妻は「何いってんの?これまで散々家庭をないがしろにしていたのに。こっちはもう充実しているんだから。あなたはあなたで自分の人生をどうぞ」と突き放し、夫が愕然とするという話だ。

「1万人の50代が後悔したこと1位」から学べる教訓は「時間の大切さ」
(画像=写真AC:編集部、『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)

男性は仕事の現役時代は、定年後のことを見ない人も多い。それだけ日々の仕事に忙殺されているということであり、目の前の仕事にコミットしているということだ。同じ男としてそれは分かる。けど、定年後も人生が続くことを忘れてしまうと、いざその日を迎えると「こんなはずじゃなかった」となるのもまた事実だろう。妻に突き放され、虚をつかれる夫にならないためにも、定年後の人生設計には現役時代からの備えが必要だと感じる。