今季のブリは極太
釣行前から鳥羽エリアのジギング船の釣果情報を見ていると、今年のブリがやたら太いことが気になった。毎年この時期に釣れるブリは、寒ブリの名にふさわしいフットボール型が多く、脂ノリノリの身は真っ白。腹身はまさに大トロのあじわい。
特に今年は例年以上の尋常じゃない太さで、脂の乗りも最高。10kgに絡むビッグサイズも狙え、かつて日本記録のブリが出たのも12月。まさに鳥羽ドリームだ。
朝から沖へ
タックルの準備を終えて船長に聞くと、まずは湾内から攻めていくとのこと。目安だが、湾内であればジグは150g前後、沖の深場で180~200g前後がメインとのこと。まずセットしたのは剣屋の頑鉄150g。鳥羽沖では定番中の定番といえるジグだ。渡邉さんはTGベイト150gをセット。船は岸壁を離れて菅島方面に向かう。だが、ここで僚船から連絡が入ったのか、「ちょっと変更して最初は沖でやります」とアナウンス。ジグを頑鉄185gにチェンジ。
気になる海況だが、加布良古水道を抜けると、意外なほど風がない。だが船長は「これから吹きますよ」。気温は5度以下だろう。頬に当たる風は痛いほど冷たい。そしてポイント到着。船長から「水深90m。どうぞ」のアナウンスで開始となった。
前半はカスリもしない大苦戦
ジグをボトムまで落としてショートワンピッチに、時々大きくシャクり上げてフォールを入れていく。魚探の反応はまずまずのようだが、誰のサオも曲がらない。何度か小移動を繰り返し、丁寧にボトムから30mまでを探っていく。
風は船長の言葉通り強さを増し、見る見るうちに海面にうさぎが飛ぶようになった。だが、風波だけでウネリはなく、釣りに支障が出るほどではない。このエリアのジギングは、ドテラ流しではなくスパンカを上げて風に船を立てるため、波はミヨシからくる。そのため船はさほど揺れない。
それよりもつらいのが寒さ。さすが今季一番の寒波、手袋をしていても指先がじんじんしびれる。体がたっぷりの脂肪で覆われている私ですら寒さで震えているのに、細身の渡邉さんはさぞやつらかろう。
そんななか船長から「湾内に行きます」とアナウンスがあり、移動中はキャビンへ逃げ込む。連日ブリが上がっているという加布良古水道へ入ると、船は何度も旋回を繰り返す。だがこれといった反応がないようで、再び「やっぱり沖へ行きます」。