保険代理店を利用するには
保険代理店を利用するには、先に述べたように信頼できる代理店を見つけることが重要だ。では良い保険代理店を見つけるにはどうしたらいいのだろうか。
まずは保険代理店としての実績を確認する。営業年数が長く、顧客数が多ければ、過去の経験や知識を期待できる。また長く続いている代理店ならば、顧客からの信頼を築いていることも期待できる。できればスタッフの入れ替わりが少ないことも確認できると良い。
担当者が信頼できるかも判断しておきたい。それには、いろいろと質問してみるのが良いだろう。あなたの質問への回答について、プロフェッショナルとしての態度や説明の丁寧さ、知識の豊富さなどからある程度判断できる。注意したいのはしつこい営業だ。しつこい営業は、顧客のことよりも自分の営業成績を優先しているかもしれない。自分に合わないと感じたら別の代理店を探した方がいいだろう。
また友人やインターネット上の口コミなども参考となる。口コミのなかには、契約するまでの対応は良いが、サポートが必要な時や保険金請求の際には対応が悪いという意見も見かける。尚、インターネット上の口コミには事実ではないことが書き込まれていることもあり、鵜呑みにはせずに参考情報として扱いたい。
編集部がおすすめする代理店型の保険
ここでは、代理店型の中でもおすすめの保険を紹介していく。それぞれの特徴をおさえて、自身に適した保険を選択してほしい。
東京海上日動火災保険
東京海上日動火災保険は、日本で初の保険会社として創業した「東京海上保険」と「日動火災」が合併して設立された企業だ。損害保険業界の中でも、トップクラスのシェア率と知名度を誇っている。東京海上グループは140年の歴史があり、国内損害保険や生命保険だけでなく海外保険事業、金融事業など幅広く事業を展開するほどだ。
日本で初めて自動車保険の営業を1994年に開始しており、これまで1,441万件もの契約を結んでいる。さらに、年間282万件もの事故に対応している。東京海上日動火災保険は実績と信頼で選ぶなら、まず候補に挙がる保険の1つだろう。
損保ジャパン
損保ジャパンは、東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険とともに3メガ損保に挙げられる企業の1つ。安田火災海上保険と日産火災海上保険が2002年に合併して設立された。取扱商品は自動車・バイク保険や火災・地震保険、海外旅行保険、ケガや病気に関する保険などだ。
また、LINEで手軽に加入できる「LINEほけん」のサービスを提供している。LINEほけんでは利用者が多いLINEアプリを活用して、保険金の請求などの手続きをLINE内で完結するほどだ。このように、保険の手続きに関するハードルを大きく下げている。
AIG損害保険
AIG損害保険は1851年に前身の会社が設立されて、1946年にAIUコーポレーションの日本支店が展開された。そして、1963年にAIGがAIU株式会社を設立。その後、富士火災海上保険を吸収合併して現在の「AIG損害保険株式会社」に社名を変更している。創業以来100年の実績があり、損害保険、生命保険、退職給付などの商品を幅広く用意するほどだ。
特に、建物や家財を対象とした「ホームプロテクト保険」は、A~Fの6段階で補償内容を選択できる。加入者の目的にあわせて必要な保証内容をカスタマイズできることが特徴だ。
三井住友海上火災保険
三井住友海上火災保険は、三井海上火災保険と住友海上火災保険が2001年に合併して設立している。3メガ損保の1つと呼ばれるほど、知名度と実績が高い。取扱商品はGKシリーズと呼ばれる自動車保険や火災保険、傷害保険、さらに介護保険も用意されている。
顧客をサポートする体制が整備されており、自動車事故の受付は夜間休日でも24時間365日対応可能だ。さらに、事故対応の満足度は96.7%を記録しており(2019年4月~2020年3月)、万が一のトラブルでも安心できるだろう。
日新火災海上保険
日新火災海上保険は東京海上グループの損害保険会社である。1908年に設立してから創立100年を越えており、自動車保険、傷害保険、旅行保険、バイク保険、こども保険など、取扱商品も充実している。
また、ケガの治療に特化した「キズいえ~る(日常生活傷害補償保険)」や自由設計型火災保険である「住自在(住まいの保険)」、防災・減災サービスである「防火管理者受託コンサルティングサービス」など、独自の商品をリリースしている。
あいおいニッセイ同和損害保険
あいおいニッセイ同和損害保険は、あいおい損保とニッセイ同和損保が2001年に合併して設立している。取扱商品はTOUGHシリーズと呼ばれる自動車保険や火災保険、ケガの保険などが提供されている。
「地域密着」というテーマを掲げており、2016年に地方創生プロジェクトを発足させるなど、地域社会とのつながりを重視していることが特徴だ。また、ベルマークの協賛企業でもあり、東北大震災や熊本大震災による被災地への寄付や社会貢献活動にも注力している。
保険の見直しや代理店を利用する際の注意点
信頼できる代理店が見つかったら、保険加入や見直しの相談をしてみるのが良いだろう。
保険の見直しでは、保険内容が重複していないかを代理店に確認してもらえると助かる。例えば、住宅ローンの団信(団体信用生命保険)と生命保険の両方に加入していて、高度障害を負った際に両方とも補償対象になっている場合や、医療保険に2重に加入している場合などがある。また保険特約については、心配になって特約を付けすぎることがあるが、実際には自分にとって不要な特約が含まれているかもしれない。このような場合も、代理店に特約についてアドバイスしてもらい、本当にそれが必要なのか判断したい。
また、今加入している保険を解約して別の保険に加入し直した方が、保険金や保証内容など有利になることがある。例えば、がん保険は新しい保険で保障範囲が拡大されることがあり、保険を切り替えた方がいい場合もある。このような場合も、様々な保険に精通している代理店ならば、適切な提案を期待できる。
最後に代理店を利用する際の注意点をお知らせしたい。貯蓄目的での保険加入を積極的に勧めてくる場合には注意が必要である。例えば、低解約返戻金型終身保険などは途中で解約すると大きく元本割れするリスクがあり、そのリスクを認識しないままに契約してしまうと、後々損をすることがある。貯蓄目的での保険加入の際には中途解約した場合の返戻金の額を確認しておきたい。
保険の代理店は、うまく付き合えば人生のリスクに備える手助けをしてくれる心強いパートナーになってくれる。もし信頼できる保険代理店が見つかっていなければ、是非探して頂きたい。(松本雄一、ビジネス・金融アドバイザー)
文・ZUU online編集部/提供元・ZUU online library
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