RZはレクサス初のバッテリーEV専用モデルとして2023年3月に発売されました。2023年末の一部改良でRZ300e(前輪駆動)が追加され、既存のRZ450e(四輪駆動)と2モデル体制となっています。価格はRZ450eが880万円、RZ300eは820万円(いずれもVersion L、税込)に設定されています。高級電動SUVらしく先進装備を備えますが、その年間維持費はどの程度になるのでしょうか。本記事では、レクサスRZの年間維持費について項目別に解説し、RZ300eとRZ450eの比較やガソリン車との違い、維持費を抑えるコツまで詳しく紹介します。

電動SUVであるレクサスRZの維持費には、ガソリン車と比べて特有のメリットがあります。
第一に燃料費(電気代)がガソリン車に比べて安く済む傾向があることです。ガソリン車の場合はガソリン代が毎年大きな負担になりますが、EVであるRZは電気で走行するため、走行距離あたりのエネルギーコストを抑えられます。
また、EVはエンジンやその補機類を搭載しないシンプルな構造のため部品点数が比較的少なく、エンジンオイル交換のような定期的な交換部品や整備の頻度が低い傾向があります。
さらに環境性能に優れることで税金(自動車税種別割、自動車重量税、環境性能割)の優遇も受けられ、総じてガソリン車より維持費を抑えやすい点が魅力です。
一方で任意保険の費用は車両価格や性能、修理費用見込みなどに応じて決まるため、高級車であるRZでは一定の負担になります。
また、バッテリー搭載により車両重量が重くなる傾向があるため、タイヤの消耗がガソリン車に比べて早い可能性は指摘されています。
一方、ブレーキに関しては、バッテリーEV特有の回生ブレーキを効果的に使用するため、物理的なブレーキパッドの摩耗はガソリン車に比べて少ない傾向にあります。レクサスは新車購入時から3年間(初回車検前まで)のメンテナンスをサポートする「レクサスケアメンテナンスプログラム」など手厚いサポートを用意しています(詳細は後述)。
総合すると、RZは購入価格こそ高額なものの、日々のエネルギーコストや税金、一部のメンテナンス費用においては電動SUVならではの恩恵を受けやすく、維持費を相対的に抑えることが期待できるのです。
