新年明けて、何気なくネットサーフィンをしておりましたら、ふと目についたのが「お金配りますよ」的なアカウント。SNSではよく見かける光景であり、もはや日常ですが……。

同一アカウントが「10万円を300人にプレゼント」企画や、「ハズレ無しの全員配布」をうたう1等10万円の宝くじ企画、一人5万円の「無制限ポチ袋配り」などを連続して行っていました。

これは香ばしい。読者命名「プロ詐欺ラレヤー」としては興味しかありません。リプライを通じて沢山の方が応募しているようなので、さっそく接触してみました。

■ 金配りアカウントから釣られてみる

まず、今回調査したアカウントを紹介していきます。

アカウント開設は2022年10月と、開設から約1年2か月。まだ若いアカウントですね。

そしてプロフィール欄には「自己破産→副業→為替/株/クリプト/社債」など、どん底から成り上がったことをにおわせる文言が書かれています。つまり「今はお金持ち」って言いたいようです。

怪しいお金配りアカウントにレッツ突撃 応募してみたらまさかの10億円当選?
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

他にも「毎日気の向くままに配布しています」というアピール文&投稿の固定欄には札束写真がババーンと置かれています。

明らかに「金配りアカウント」と呼ばれるものですが、この手のパターンは「貰えないのが基本」。

怪しいお金配りアカウントにレッツ突撃 応募してみたらまさかの10億円当選?
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

結果はもはや分かりきっており、個人情報(メールアドレス、電話番号、銀行口座情報、クレジットカード情報など)を聞かれて終わりか、めんどくさいときは「引き出し手数料」と題した手数料の振り込みを求められるパターンです。

ちなみに今回のアカウントは、一部の投稿にて「クレカの番号を要求することはありません」と書いていますが、「銀行口座はゴリゴリ聞いてきます」。詳しくは後ほど。

さて、これまで散々この手は潜入しつくしていますが、今回はどんな段取りになっているのか?では、レッツ潜入!

■ 潜入

まずはコンタクトを取ってみます。普段はDMからのやりとりが始まりですが、今回このアカウントはLINEへの誘導リンクを張っていました。そこから連絡くれとのこと。

指定されたLINEアカウントを友達登録すると、自動ですぐに「受け取り」に関する説明が送られてきました。

怪しいお金配りアカウントにレッツ突撃 応募してみたらまさかの10億円当選?
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

目的のお金を受け取るには、このアカウントではなく「受取専用のアカウント」を追加する必要があるとのこと。これも、詐欺潜入の毎回恒例の儀式です。

初めて本潜入シリーズをお読みになるかたのために説明すると、「お金配り」や「副業系」の怪しいSNSアカウントは、まずLINEに誘導します。次に起きるのが、別のアカウントを紹介して友達登録させるというもの。名目は今回の「受け取り」以外に、副業系の場合は「報酬引き出し窓口」や「サポート係」などがあり、その詐欺の種類ごとに異なります。

さて、次に「受取専用のアカウント」の友達登録をすると、今度もすぐさま受取方法のURLが届きました。恐らくこれも自動で送っているものと思われます。

怪しいお金配りアカウントにレッツ突撃 応募してみたらまさかの10億円当選?
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

半年程前には、「肉入り(人間が対応している)」ケースが多かったのですが、近ごろは詐欺業界でも自動化やAI化がすすんでおり、この辺スムーズにことが運びやすくなっているのがポイントです。

さて、送られてきたページを開くと、なんとも楽しげな七福神と共に10億円のキャンペーンページがババーンと登場。

怪しいお金配りアカウントにレッツ突撃 応募してみたらまさかの10億円当選?
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

説明によると、総額10億円で、1等は3億円ということ。アレ?5万とか10万円じゃなくて3億円??桁が変わっています。

とはいえ、これが事実ならばぜひとも当てたい!

しかし、そこから下にスクロールすると、なんともイカにもヤバ目な項目が表示されていました。

怪しいお金配りアカウントにレッツ突撃 応募してみたらまさかの10億円当選?
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

なんと、携帯番号を求めてくるのです。題して「電話番号くじ」。はい、きました~。何としてでも、電話番号を聞き出したい詐欺師が仕掛けたワナです。

ああ、これって、何か危険なリストに入れられて、ガンガン鬼電話かかってくるんだろうなあ……。(過去に経験あり)やだなあ、めんどくさいなぁ、と思いつつ、サクッと詐欺潜入用の番号を入力。

怪しいお金配りアカウントにレッツ突撃 応募してみたらまさかの10億円当選?
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

しばらくすると、潜入用のスマホに、ショートメッセージが届きました。どうやら当選結果が出たようです。

怪しいお金配りアカウントにレッツ突撃 応募してみたらまさかの10億円当選?
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

さて、これで「当選」していればめでたく大金を手にすることができるわけですが……。当選結果のページを開いてみると、ポチッ。