福岡を去った7人の選手

2023シーズン後のチームから退団となったのは7人。主力として2シーズン続けて2桁得点を挙げたFW山岸祐也と前線の複数ポジションを担ったFWルキアン、元日本代表らしい圧倒的な運動量と高い技術を見せつけ復活の1年を過ごしたMF井手口陽介が退団。2019年から5シーズンにわたり、チームの苦しい時期を支えたMF田邉草民は、12月18日に開催されたシャフタール・ドネツク(ウクライナ)とのチャリティマッチを最後に引退となった。

これにより、攻撃陣は2023シーズンのリーグ戦で挙げた37得点のうち15得点分(山岸10得点、ルキアン5得点)を失った形となる。また、2021~2022シーズンの主力で安定感のあるプレーをみせていたMF中村駿、栃木SCへの期限付き移籍を機に著しい成長をみせていたDF三國ケネディエブス、2017シーズンから7年間所属していたGK山ノ井拓己もそれぞれ新天地を求めた。

FW岩崎悠人(サガン鳥栖所属時)写真:Getty Images

新加入の6選手

新加入選手は6人。主に福岡から他クラブへの移籍が発生したポジションを中心に強化を図った。井手口と中村の抜けたボランチには、どちらもパリ五輪出場を目指すMF松岡大起、MF重見柾斗を獲得。松岡はJ1で113試合、重見も大学生ながら特別指定選手として2023シーズン5試合の出場経験があり、若手ではあるが不安は少ない。山岸とルキアンが抜けたストライカーにはサンフレッチェ広島で2シーズンプレーしたFWナッシム・ベン・カリファを獲得。献身性が高く、最前線の選手が守備の起点となることが求められる福岡にフィットすることは間違いない。

サガン鳥栖から加わったFW岩崎悠人は、2023シーズン後半から中心システムとなった[3-4-2-1]のシャドーとウイングバックの位置を担えるアタッカー。圧倒的な運動量と推進力を武器に、2022年のEAFF E-1サッカー選手権を戦う日本代表にも選出された。ベン・カリファと共に多くの得点に関与することが期待される。また、東京ヴェルディへ期限付き移籍していたMF北島祐二は持ち前の突破力はそのままに、怪我を負うまで主力を担ったことで試合の流れを読む力と自信を加えて帰還。セットプレーのキッカーとしても期待したい。また、山ノ井拓己が抜けたGKには菅沼一晃が加わり、新たな4人の顔ぶれでポジション争いが繰り広げられることとなる。


アビスパ福岡 MF紺野和也 写真:Getty Images