ラ・プラタ川を挟んだ対岸の国アルゼンチンとウルグアイは、歴史的にも文化的にも兄弟国といっていいほど近しい中。外国人旅行者はもちろん、両国の人々もビジネスやちょっとした買い物を目的に気軽に行き来しています。
そんな人々にとっての頼れる移動手段が、国際定期航路を運航するフェリーです。旅行者にもっとも人気のあるフェリー会社は、アルゼンチンのブエノスアイレスを拠点とするBuquebus(ブケブス)社。1980年の開業で、ブエノスアイレスとモンテビデオを始めとするウルグアイの各都市を高速フェリーで結んでいます。
フェリー会社はほかにもありますが、モンテビデオとブエノスアイレスの直行便があるのはブケブスだけ。両都市間を2時間45分で結んでいるので、移動時間やその他の待機時間を考えると、飛行機を利用するより早くて安くて便利、これを利用しない手はありません。
モンテビデオのフェリー乗り場

モンテビデオのフェリー乗り場は、旧市街の北側にあるTerminal Fluvio-Marítima de Montevideo(モンテビデオ海上河川ターミナル)の中にあります。タクシーで向かう場合、「ブケブスの乗り場へお願いします」といえば通じます。

乗船受付は、空港のカウンターと同じような雰囲気。公式サイトで事前予約したwebチケットには、「出港の2時間前までに、出入国当局が要求する有効かつ最新の書類を持参すること」とありましたが、2時間前だとカウンター周辺はまだガラガラでした。ブケブスは車両輸送可能なカーフェリーなので、この2時間前という案内は自家用車で移動する人のためかもしれませんね。
手荷物だけなら1時間前でも余裕ですし、地元の人はギリギリに到着する人も少なくありませんでした。とはいえ初めて利用する旅行者は、慌てないよう時間に余裕をもって到着して下さい。

受付でwebチケットとパスポートを提示したら、あっという間にチェックイン完了。

入管を通過し、ターミナル2階の待合室へ向かいます。イミグレでは荷物検査もなく、国際航路とは思えないほど気軽な感じで驚きました。

待合室のつくりは簡素で、小さなカフェテリアと売店があるのみ。ただ嬉しいことにターミナル内には無料Wi-Fiサービスがあり、のんびり時間を潰すことができました。
モンテビデオとブエノスアイレスを直行するフランシスコ号

乗船のアナウンスで、待合室から乗船口へと移動。ガラス張りの通路からは、これから乗るブケブス社のFrancisco(フランシスコ)号がちょうど入港してくる様子が見れました。

2013年に就航したフランシスコ号はGE製航空転用タービンを2基搭載、航海速力は平均55ノット(およそ101.86km/h)で、就航当時は世界でもっとも速い商業用高速船としてギネスブックに認定されました。また動力源には液化天然ガスを使用しており、環境に優しい移動手段としても注目を集めました。フランシスコという名前は、アルゼンチン出身でラテンアメリカ初のローマ法王にちなんだもの。
このフェリーに対するブケブス社の自信と誇りを感じます。